かさぱのすとちぱの
雑 記(Private log)



家長私的記録 夢中暦200308.11

 私が愛読しているメールマガジンのひとつに「フィンランドつれずれ」がある。 これは当サイトからも相互リンクしているみほこさん(ヘルシンキ在住の「同じ穴のムジナ」「あんてーくし!現地特派員」(^^))が発行している、生のフィンランド情報満載のメルマガである。
 ある日、みほこさんからのメールで「戦車に付いている一番大きな大砲を、日本語で何と言うのですか?」という質問があった。 私は「それを我々は『主砲(しゅほう)』と呼びます」と回答した。 もっとも「我々」と言っても、そんな単語を日常的に使用する「我々」日本人とは、「軍事・国防関係者」と「AFVモデラー」ぐらいのものである(当然)。
 しかしこんな質問が出るとは、いったい何事か。 「さては私にそそのかされて戦車博物館に行ったせいでワタシが「ムリヤリ撮影させて来た」写真の1枚。嗚呼スイマセンネェ、遂にこっち方面に目覚めてしまったか!?」と、内心ひやひやしていたのだが、そんな心配は後のメルマガを読んで徒労に終わった(当然!)。

 また同じメールのやりとりの中で、「フィンランドには『地震』というものがないので、その説明に困る」ということも話題となった。 私も二度目に渡芬した際(阪神淡路大震災の後のこと)、ヘルシンキの某レストランで偶然隣に座っていた男性にフィンランドなまりの英語で、
あんた日本人か?TVで見たけど、日本のコーベとかいう街はエライことになったそうやないか。ナニがあったんや、あの惨劇は!?
 と質問されたことがある。 私は
そりゃもう、ごっつい地震(earthquake)があったんですわ
 と答えたのだが、相手の男性は肝心の「地震」という言葉が理解できなかった。 私はテーブルを揺すって「ホラ、こういうヤツ!」と必死に説明するも(!)、男性は単に単語を知らないということのみならず、「地震」という感覚そのものが理解できなかったようだ。 フィンランドには火山など存在しない。 プレートテクトニクスという単語も芬語にあるのかどうかもわからない。
 そんな私のエピソードなどを話していたのだが、そうこうしている内に新たなメルマガが配信された。
 「フィンランドつれづれ その10:2003年6月6日号」によると(以下、著者の承諾を受けて一部転載):

* * * * *

 フィンランド人にとって、地震というものはよくわからない自然現象の一つである。 この国の地層はかなり古く安定しているため、地震が殆ど無い。 maan ja:ristys(マアン やリステュス)が地震を表すフィン語である。 maan は『大地の』、ja:ristysは『(岩石が転げ落ちるときの)轟音と地響き』を意味している。
 仕事中ライネルが話しかけてきた。
 このおじさん、仕事に飽きると近くを通りかかった女性を捕まえて話をするのが好きだ。 好みのタイプというのがあるらしく、話しかける女性というのは数人に限られている。 光栄なことに(?)私もその一人だ。
「日本で地震があったんだって?」
 先週の東北地方で起きた地震のことである。 規模が大きかったためにフィンランドでも報道された。
 人が死ななくてよかったねとか、日本では地震があった時は、津波の心配もしないといけないから大変なのよとかそういう話をしていたら、ライネルは不思議そうに言った。
「地震ってどんな感じなのかなあ」
 うーん。地面が揺れている感じとしかいえない。 私がどう説明しようかと考えていると、
「若いとき、徴兵にいって、戦車に乗ってたんだよ。 その時に、主砲をドンと撃ったら、戦車が揺れて、お腹にウッって来たんだ。 そんな感じかなって時々考えているんだけど」
 私には、その戦車に乗った体験が無いから、答えられない。。。 


* * * * *

 。。。フィンランド人に理解できない「地震の揺れと衝撃」というものを、(幸か不幸か)我々日本人には理解できる。 しかし逆に、フィンランドのおっちゃん:ライネルが理解できる「戦車の主砲をドンと撃ってウッと来た感じ」というのは理解できない(!)。
 そんな折り、マクタロウ氏が氏のBBSで「陸自富士学校の駐屯地祭に行きたくないか」と呼び掛けていた。 そこでは模擬戦闘として戦車や火砲が、空砲ながら実際に発砲するという。  フィンランドでも戦車部隊の創設記念日に同様のイベントがあるのだが、残念ながらいまだ目にしたことがない。
 「地震の感じ」、いや「主砲をぶっ放した感じ」を体験してみたい。。。 またモデラーとして、「博物館で眠れる戦車」ではなく「生きて動きまくる戦車の様子」もぜひ見ておきたかった私は、氏によって募られた「富士学校探検隊」に参加することにした。
 今回も、余りに(AFVモデラーのみが)ウハウハな内容であり、かつ、フィンランドとはナンの関係もヘッタクレもないため(またかよっ!)、別ページで詳しく報告することにする。 ただし今回の探検の目的は飽くまでも「我々の日常の中の非日常体験」であり、「自衛隊の是非、要/不要」という社会的・思想的問題とはさっぱり関係ないので、その辺りご留意いただきたい。 では、「探検隊シリーズ」第ニ弾(下をクリック!ちっちゃい写真がいっぱいで重いよ):

これが陸上自衛隊、最新・最強の装備だ!!
戦車が疾走・榴弾砲が炸裂!最終兵器「ゲキマンジュウ」を食らう!!


 。。。「第ニ弾」ってことは、「第三弾」もあるよな。。。!?(どんなにデカイ大砲をぶっ放しても、人間は地震を止めることが出来ない。異常気象といい、地球は怒ってるのか? 地震はその後も相次いでおり、(特に子供達の)精神衛生上、非常によろしくない。)(か)


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