かさぱのすとちぱの
雑 記(Private log)



家長私的記録 夢中暦200306.06

(今回のこの記録には、AFVの写真や航空機の話は出て来ない。「ガンタンク」と「ムサイ」しか出て来ない!予め悪しからず!)

 キャラクターモデル。単純に言えば「(主にTVやコミックの)架空のメカを模型化したもの」である。逆に、「現実に存在する(した)ものを縮小した模型」のことは「スケールモデル」と呼ばれる。私が主に趣味としているのは後者の方である。実際に存在した戦車や戦闘機、兵隊の姿などを1/35スケールで、自分なりに模型で再現するために、大枚をはたいて資料となる写真や記述のある書籍などを買い漁り、究極的にはわざわざフィンランド現地まで出向き、呆れる細君を放り出し(!)、実物に触れ、その「物」が辿った歴史や背景といったものを考えるとき、思わず胸の奥から熱い物がこみ上げて来たりするものだ。またその機能美を賛美するのみならず、「それがもたらした結果」についても、目を背けるべきべはないだろう(そして「あれ」から59年目の今日、話題はノルマンディーとはなんら関係ない。。。!)。

 と、そんな「(他人にとってみればまったく無意味な、なんら人生において関係のない)考証」や「(実物を縮小し、さらにそれをバラバラにされたものを組み立てて楽しむなどという、これまたナンセンスな)工作」に楽しみを見出している。また、「あほ」としか言いようのない、そんな自分の姿を客観的に見てみるのも可笑しいものである(!)。
 そんな「実物と比べてどうのこうの」といったことの出来ない「キャラクターモデリング」を、卑下するものでは決してない。「設定」とか「カッコよさ」とかいうものに忠実であろうとするところだけが、スケールモデリングと違うところであろう(どちらも「世間一般」の視点で見れば、よく言って「芸術的趣味」、悪く言って「どーでもよいことに熱くなっているアホ」である(~~))。

 私が戦車や戦闘機といったものしか作らないのかと、そうではない。実は「考証」に煮詰まったり、自分の工作技術の手に負えないようなモノに相対したときには、ふとキャラクターモデルに走ったりするのである。
 「TVで親しんだ、好きなキャラだから」という理由以外に、「なーんも考えんでいいから」という安直な理由から(だけ)ではなく(!)、普段親しんでいる模型とはまったくアプローチの違う組み立て方や、そのパーツ割りを発見することになるのが面白いからである(余談だが、私の一番古くから付き合いのある友人2人は、実はガンダマーだったりダンバイン大好き野郎だったりする)。
 例えば根っからのAFV(てか戦車もソフトスキンもね)モデラー:私が、「機動戦士ガンダム」で一番お気に入りのメカは「ガンタンク」である。劇中では「所詮、陸戦兵器!」とか「モビルスーツの出来損ない!」とか、ひどい言われようをしている、とにかく差別的な扱いをされているアレである(!)。空中ないし宇宙空間を(無理矢理)飛ばすために、車体底部にちっこいロケット噴射口を取り付けられたその姿を見るたびに、悲しくなってくるアレなんである(!)。
 もう発売からも、組み立ててからもずいぶん経ったのだが、そんなガンタンクの最新の1/144キット(HGUCシリーズ)を作って驚いた。
 下半身(?)はまさに「戦車」である。「こんなバカデカイ装軌車両がどうやって高速で走るんだ?」「どうやって履帯交換するんだ。そのための要員として人型モビルスーツが必要なのか?」などというツッコミを入れながらも、その2000年1月(20世紀最後の年!)に発売されたキットのパーツ割りは、「戦車モデラー」としての私の常軌をまったく逸したものだったのだ。
 なんと、、、(とにかく写真をご覧いただこう):

← そう。閉じたベルトを履かせるのでもなく、初心者には難しい連結式の履帯でもない。
 前時代的、或いは、確かにリアルな表現とは言えないかも知れない(そもそも「real」なものが存在しないのだからこの表現そのものに無理がある)。
 しかしこれなら、「初めて模型を作るひと」だろうが、「ましてや戦車なんぞ作ったことのないひと」だろうが、(いわばバカでも○ョ○でも)「オレのガンタンク」を組み上げることができてしまうのである!

 余りにも簡単に、なんら強引な作業をする必要なく、しかも接着剤を使うこともなく、ピッタリと各パーツが合い(やはりバンダイ1/35パトレイバーを組んだ際の「可動するハッチがピタリと開閉したとき」や、さらに古くはウェーブ1/144ライデンを組んだ際の「肩部、巨大レーザー砲展開の差し替え無しのギミック」なんかにも驚いたものだ!)、その上塗装しなくても、各パーツのモールド色が大体イメージ通りの配色になっている(登録商標「色プラ」!)ということに、「子供達に楽なことばっかりさせるのはよくない!」という気もするのだが(さりとて、東欧製の凄まじいキットばかり与えるのも酷というものだ(~~)、ここ数年の「ガンプラ」のパーツの合いと組み立てやすさの見事さには目を見張るものがあるように感じる(私はといえばここ数年、プラモデルというものは、強引に削り込んだり接着したりしなければならないものだとばかり思い込んでいた!)。
 こういう「初心者にも優しい、次世代のモデラーを養うキッカケとなるmade in Japan」のキットの存在も、たまに作って認識を新たにするのもよいことかと思う(なにより気分転換になる)。

 さて、そんなキットはもちろん、プラモデルメーカーさえ存在しないフィンランドで、面白い反応に直面し、面食らったことがある。例の「ぴえのいす・おじさん」ことOlaである(因みに最近、お孫さんが出来たので「ぴえのいす・おじいちゃん」だ!)。
 今年の年始、私が日本の土産に持って行った模型雑誌数誌を、彼がパラパラとめくっていた時のことである。「文字を上から下へ読む」ことにも面白がっていたが(!)、ガンダムの作例の載ったページを指差してこう言って来た。

「コレはナンなんや??最近アメリカの模型雑誌にもちょくちょく載っとるようやけど?」

 フィンランドでは「ガンダム」は放送されていない。これに対し私が、「これは日本で『GUNDAM』と呼ばれている架空のロボットである」と言うと、「テレビか?マンガか?」と聞くので、「TVアニメ。『ジャパニメーション』やね」という旨のことを教えた。。。そして彼は笑い出した。

「なはははは!
 んなら、なんで『1/60スケール』とか言うとんねん!?
 ワハハハハ!


 。。。??!!。。。そうか。確かに「計測できるような実物が存在しない」のに「スケール表記」があるというのは、「おかしいハナシ」かも知れない。フィンランドには(以外でもそうだが)、「『緻密な設定や世界観』を基に模型化されたプラモデル」という文化が存在しないのである(!)。SF映画や特撮番組のメカのキットはあったが、いずれも「スケール表記」はもともと無かった(そんな「緻密な設定からスケールを割り出す、日本の文化」の影響だろうか。つい最近、海外のスタトレの艦船モデルにスケール表記が出て来たことは多いに興味深い)。

 さて、ホビーショーの展示会で多いに製作意欲を掻き立てられたこのところの私は、「フィンランド軍のがちがちの考証ごとやスケールモデル」から離れて、「特撮番組に登場した戦車(ネタは「恐竜大戦争アイゼンボーグ」!)」やら、BBSにおける某☆氏の発言の影響を受け(!)、「ジオン軍巡洋艦ムサイ」を逆さにひっくり返したりしている。。。その船の名を、「NCC-1071 U.S.S.イサム」という。。。
。。。「NCC-1701 U.S.S.エンタープライズ」が大好きなトレッカーなら、この船も1隻コレクションに加えたいところだ(もろにエンプラだよねぇ?詳しい製作記はまた改めて!)。
 これから考証して、塗装に移ろうとしているところである。。。
 。。。あーあ。(か)

(因みにこの1980年発売の1/1200(え?)「ムサイ」のキット。。。日本の「プラモデル(バンダイの登録商標)」も、20年前は東欧のインジェクションキット並のパーツの合いの悪さだったということにも感慨深いものがあります)

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