かさぱのすとちぱの
雑 記(Private log)



家長私的記録 夢中暦200305.24

 先月・今月と、おりしも忙しい仕事のピークと、こういうヤツこういう作業などが重なっていたため、当雑記を書く余裕がなかったのだが。。。

 日本最大のモデラーのイベント「静岡ホビーショー」における、「第14回モデラーズクラブ合同展示会」が先日(5/17-18)、無事に終了した。 今回は私にとって、本格的に作品を出展させていただき、出展者側からの視点で参加することとなった、初めての展示会でもあった(「フェイクエアクラフト・ベース」主催のがらんどう氏、「多国籍モデリングの会」主催のかば◎氏、また、それぞれご一緒させていただいた参加の方々には厚くお礼申し上げたい)。
 また、一般公開日は史上最多の入場者数であったとも聞く。 親子の姿や、SARSの深刻な影響を反映してだろう、マスクを着用した人の姿も多々目にした(!)。 しかしながらその多くの一般入場者数に対し、企業展示の方は、単なる慢性的な不況だけではない、私が陰に陽に見聞するもっと性質の悪い状況を反映して、前日までの業者招待日のその状況はそら(以下自粛。ただ、やけにデカイばっかりの飛行機やら、ちっちゃいちっちゃい戦車やら、「完成品販売」やらが目立っていた。どうなるんだろう。この先の「模型趣味」って)

 ところで、「フェイクエアクラト・ベース」でご一緒させていただいたマクタロウ氏が、こんな来場者に遭遇したそうである。 余りに印象深い逸話なので、どうしてもここに記録させておいて頂きたい。
 それは「フェイク」のブースをじっくり見た後、氏に話し掛けてきた、ある老婆であったそうだ。 老婆いわく(以下、マクタロウ氏からの伝聞):

「。。。説明もいろいろ書いてありますが、ワタシにはこれらの飛行機が、どういうものなのかさっぱりわかりません。
 しかしながら、これらをこしらえた方々が、『楽しんでこしらえておられる』ご様子はたいへんよくわかりました。ありがとう。いいものをみせていただきました。。。」


 。。。なんとピュアなおばあちゃんだろう!!
 まさしくそうなんである。 がらんどう氏が呼び掛けた「フェイクエアクラフト」イベントの骨子、核心を突いていると言えよう(なんのお手伝いも出来なかった私であるが、それをまさしく伝えることが出来たブースになったことは大変うれしく思うし、ブース製作にご協力された諸兄に感謝と賞賛の気持ちを表したい)。 「フェイク」やwebサイトに限らず、自分の「模型趣味の展示」とは本来、同好の志のみならずそうではない人々にさえも、そういうものを伝えられる(あるいは、伝えたいと願う)フィールドなんである()。
 この純粋なおばあちゃんに、残念ながら私は遭遇することはできなかったが、私なら思わず涙を流して抱擁していたことと思う(!!)。 世の、いや私の周辺で特に目立つ、根性のひねくれたババアやジジイ、おっさんやおばはんどもに、このおばあちゃんの爪の垢を煎じて、しかもそれを「こんにちはジュース」に溶いて、さらにサルミアッキ(キャンディーでもグミでも可)とともに、飲ませてやりたいぐらいだ(!!)。

 と、エラソーに書いておきながら、私の出品作も高度な技術で人をアッと言わせるものではないし、単に「よそのモデラーが作ろうとはしない」フィンランド軍車両や飛行機を漠然と展示させていただいたのみでした。当サイトの「模型ギャラリー」もまだ工事中であることからしても、まさに自戒の思いを新たにしました。会場でご覧いただいた方には図らずも立証することができたのですが、ウンチク言ってるばかりじゃなくて、ちゃんと作ってもおるんですよ。。一応(^^;)


 と、実は今言いたいのは「静岡」のことではなくて、模型雑誌についてである(スイマセン。「静岡」とは脈略が違います。。。本当はデジカメ画像でも掲載しながらご報告したいところだが、あいにくワタシと我が家のデジカメとは、ことさら相性が悪いので(!)、当日持って行かなかった。。。m(__)m)。

 模型雑誌については、モデラー諸氏それぞれに一言二言それ以上言いたいこともあるだろうが、私が気になっているのは、「作例の良し悪し」「レイアウトや誤字脱字」「チョイスされた記事の良し悪し」などのことではない
 「個人のwebサイトと内容が変わらない、意識と責任感の欠けた記事が目につくこと」である。
 直接私が被害を被ったわけでもなし、ましてや文筆業を営んでいるわけでもない(執筆依頼を受ける気もない。いや、器量がない!)ので、あからさまに誌名を挙げないが、ある雑誌が先月、某社製品の作例記事をわざわざ取り上げて掲載しておきながら、その記事文中で、「なお○○社のこの製品は、金型が破損、今後は店頭在庫のみとなるらしい。 詳細は不詳だが、わかり次第お知らせしたいと思う」というような内容の一文載せていた。

 すわ一大事。 雑誌が発売になった翌日から全国の模型小売店には、早速その商品を求める問い合わせの電話が立て続き、それまでその製品のジャンルには趣味がなかったようなお客まで、その製品を買い漁っていくという、一騒動になったそうだ(もちろん私はこの業界の人間では(今は)ないため、直接それらに対応したわけではない)。
 もっとも、不動の在庫としてその製品を抱えていた店にとっては、ひょんなことで在庫一掃、急いで問屋から再入荷した分まできれいに無くなったということで、なんだか釈然とはしないが、結果的には「モノが売れたことは、良いことだ」(と考えるようにしようか。因みにワタシはその製品を買っていないが、確かに欲しくはなった!「コンバット」にも怪獣映画にも出て来るアイテムだし(!?))。

 因みにその製品の発売元も、小売業者からの「実際のところ今後この製品はどうなるんだ!?」という問いに対して、当初よくわからない説明をしていたが、状況が落ち着いたのか、「(金型が破損したわけではなく)製造元のトラブルがあり、今後は販売形態が変わる」ということだったのだそうだ。
 それにしても、「新発売か!?」とか「待望の再生産!?」とかいう、その企業なり業界なりを盛り上げる記事が、結果として誤報となった、というのとは明らかに違う。「マイナス面」の情報である。しかも未確認のそんな情報を掲載することに躊躇はないのか?(記事はライター個人が責任を持って任されているのかどうか知らないが、「その雑誌」は「その雑誌」である。私のようなサラリーマンの場合当然、「ある社員個人の不手際」は「その会社の不手際」として謝らなければならないものだよなぁ)

 さて今月も模型雑誌各誌が発売になった。 結果として誤報を掲載したあの雑誌には、なにかあの事件に関する文章は載っているかしらん、とページをめくってみた。 なんと(件の報道をしたライターとは別のライターが執筆)、
「『倒産か!?』などとwebサイト上で騒がれた○○社の製品は、実は今後、発売元が変わって・・・・云々」

 。。。「webサイト」が騒がせたんじゃなくて、「あんたら」が騒ぎの出所なんだよっ!!

 個人のwebサイトが「こんなウワサがある」とか「こんなことを耳にしたよ」などと言っているのとはワケが違うんである。 雑誌というものは(雑誌に限らずTVやラジオもそうだが)、もっと重大な影響力を持っており、それに対する責任感を問われるメディアなんである。 「掲載された情報の正確さ」はもちろん重要だが、「正確かどうか確認できない」のなら、ハナから「そんなこと書かなきゃいい」んである(しかもそれがよその企業であったり、その業界や消費者全体で騒ぎになることが明らかな場合は尚更だ)。
 この件に限らず、以前から「これはどうかな?」と思わせる内容の記事が目についたことがあった。 文章力の有無という問題ではなく、「個人のwebサイトと同じようなノリ」で書かれたような文章である。
 素晴らしい記事を掲載するライターの方々も多くある中で、中には該当コーナーの著者肩書きで「売文家」と名乗る輩もある。 「文を売っている人」という意味である。 我々はいくばくかの金額で、これらライターの記事を「買っている」んである。 辛口の厳しい論評や、一部の読者が反論するような内容になることは充分あり得ることであるし、そういうことにイチャモンをつけているわけではない。 「記事をどう思うか」という感想については各自で感心しておくべき問題だと思うが、「売文家」の記事を読むということは、「個人のwebサイトを無料で見ているのとは違う」ということだ(間接的には有料と言えるのだが。また、営利目的ではない個人のwebサイトでなら何を言ってもよく、責任云々も知ったこっちゃない、ということではない)。

 私が気になった該当記事を読んで、あのおばあちゃんは言ってくれないと思うなあ。

「。。。いろいろ書いてありますが、ワタシにはこの記事が、どういうものなのかさっぱりわかりません。
 しかしながら、これを書かれた方が、『読者に理解して楽しんでもらおうと書いておられる』ご様子はたいへんよくわかりました。ありがとう。いいものを読ませていただきました。。。」


 。。。もうちょっと「意識」を大事にしてください、ライターさんも編集者も、っちゅうこっちゃ(←何様!?)。
 あと、もっとフィンランド軍やエストニア軍の車両や機体も記事に取り上げてくれないと困ります!(←結局それが言いかったんかいっ!! でも、「自称プロ」による作例の「表面の仕上げ方」については実際、あまりに取り上げられなさ過ぎじゃないか?「ここはツヤ消し、あそこは半ツヤ。こうやって表現しました。なぜなら---」みたいな記事が)。(か)


家長私的記録補足:
 純然たる「消費者」の単なる意見のひとつです。問題は模型雑誌に限ったことではなく、他の書籍や仕事、特にTV番組にも当てはまる。経済的・時間的制約が厳しいのは重々承知していますが、ぶっちゃけたハナシ、ムリしてもらわなくても、「きちんと時間とお金とアタマ」を使えば、きっといいモノが出来あがるはずなんである。また、「ある雑誌」には古くから恩恵を受けているし、ことさらそれを特定して、本当は批判したくはありません。敢えて「理想論」をぶつけてみました。
 フィンランドの「PIENOISMALLI」は、今年に入ってからオールカラーになったが(快挙だ!「これは白黒ページでいいが、これはカラーで」などと考えなくても良くなったので、編集者(兼編集長!)は喜んでいる)、相変わらず「年に不定期8回」のムリしない発行体制は続いている。(でもサイトの更新ぐらいはしてもらいたいものだよ、Ola!(~~;))

家長私的記録さらに補足:
 マクタロウ氏によると、件のおばあちゃんは「孫や子供を伴うでもなく、ふらりとひとりで現われ、ふらりとひとりで雑踏の中に消えて行った。。。」そうである。どうしよう。実は「超絶!凄腕モデラー」だったりしたら(!)。

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