かさぱのすとちぱの
雑 記(Private log)



家長私的記録、夢中暦200205.27

 果たして、本当にワタシ達は今月初頭に芬蘭に居たのだろうか。。と思うほどに、今月は公私共に忙殺されている毎日である。
 戦車や飛行機の模型のことを、あーじゃこーじゃとアチコチで一席二席ブッているのだから、せめて「静岡ホビーショー」でどうだったとか、昨日の「無名会」さんの展示会や、それに続いた「オービーズ」さんとの会合がどうだったとか書くべきかも知れないが、恐らく当サイトのBBSや、ワタシがお邪魔している各地のサイトですでに話題になっている(だろう)ことなので、ワタシとしてはここでは、全く関係のない「誰も書かないフィンランドの話」などしていこうと思う(!)。

 「21世紀のフィンランド陸軍」についてである。とは言っても、最新兵器がどうしたとか、冷戦後の国防事情がどうした、とかいうハナシとは全く違う。
 ハメーンリンナの砲兵博物館そばのサープラスショップ(軍払い下げ品店。ちぱは「ヘルメットショップ」という、なんとも言い得て妙な呼び方をしている)にて、「陸軍歩兵教本(2001年版)Sotilaan Ka"sikirja」の新古本を破格の値段でゲットして来た。芬蘭軍の現状や、他の北欧諸国と芬蘭軍の火力/兵力の比較図など見ているだけで涙が出てくる思いである(「戦争を放棄した」日本国の軍隊より小さいのだから!)。
 閑話休題。この本さえあれば「君も今日からフィンランド兵!」な内容であり、野戦行動の取りかたや、自動小銃や対戦車ロケットの構え方などが、豊富なイラストと共に示してあるのだが、そうした「近代兵器の使用方法」が列挙してあるページをめくっていて、ひっくり返った!!

 何を隠そう、この「21世紀の本」に「カサパノス」が載っているのである(!!)。あんまり驚いたので、ここでそのページをご紹介しようと思う。

(↑火炎瓶の具体的な内容が書いてあるので、一部修正しました(←なんちゅう本を持っとんねん!))

 ワタシもハンドルネームで使っているこの「対戦車手榴弾」は、「とりあえず爆薬に信管をセットして、敵戦車やトーチカに向かって投げつける」という、およそ高級な必殺武器ではないのだが(それでも果敢に侵略者と戦う芬蘭兵を涙無くして語れない)、図の中でも「板っきれに爆薬がくくりつけてある」ソレが「KASAPANOS=対戦車手榴弾」のひとつの形態である。現在でも「火炎瓶(モロトフカクテル)」とともに「有効な対戦車兵器」として、教練の一環となっているようだ。
 「なんて貧乏な軍隊だっ」と思うと同時に、「それでも国を守るために戦う」意識や、「そこまでしなければ小国の主権を危うくさせられる大国の存在」という現実に、なにか熱いものを感じずには居られないのである。(か)



家長私的記録、夢中暦200205.18

 明日(18日)は静岡の「日本のモデラーのお祭り」に行く予定であるが、そのことは後日記述することになろう。
 先日の雑記に続いて、フィンランド所感その2である。今回は「フィンランド語」についてである。
 当サイト内の「ぴえのいす・おじさんのこと」の頁でも触れている通り、まずフィンランド語(以下芬語)の特徴は、その独特のイントネーションにあり、ほとんどずべての単語は第一音節にアクセント(強勢)がある。ワタシがハンドルネームとして使っている「かさぱのす(kasapanos=対戦車手榴弾)」も、正確なアクセントは「さぱのす」となる(いや、呼んで/読んでいただく際にいちいちそんなこと気にしていただく必要はございません!)。
 また、語尾が母音で終わる言葉や、その組成が「子音+母音」で構成されている言葉が多いというのも、もうひとつ特徴的なところであり、このため日本人のワタシ達にも発音しやすい/耳なじみの良い言語のひとつだと言えよう。

 そういった特徴や、「〜ネン」で終わる苗字が多い(「〜の人」が語源)ことなどもあいまって、芬蘭の街中で耳にすることばが、しばしば関西弁に聞こえることが多いのである(!)。
 以前からそう感じていたのだが、今回の旅では、決定的な経験をしたので記しておきたいと思う。このことは、いみじくも以前からかば◎氏の提唱されている仮説:「『フィンランドと関西は、次元回廊を通じて繋がっている』説」をさらに補強するものと自負している。
 なにげなく街中で耳にする芬語が、明らかに関西弁に聞こえたのは次の事例である:

 その1:
 イタケスク(巨大ショッピングモール!近日詳しく紹介予定)のアイスクリーム屋台にて。ちぱがチョコレートのアイスを「これ、チョコチップが入ってておいしいよ」と言いながら食べていたところ、前を通りかかった4〜5才の女の子が、やはりアイスを手に持って母親に言っていた一言:
 「ワタシのイモ入ってる!」
 。。。ワタシの食べていた「パパイヤとパイナップルのアイス」に顆粒は入っていたが、「イモ」の入ったアイスはメニューになかった(当たり前だ)。

 その2:
 TVの天気予報にて。なにげなく付けていたホテルのTVで天気予報。「明日は晴れるかねえ」などとぼんやりしていたその時、フィンランド人気象予報官が言うには:
 「(なんとかかんとか〜〜)ええ天気!」
 実際、次の日の予報は「晴れ:ええ天気」だったのでひっくり返った。

 これらのことは、ワタシが関西弁を使用する人種だからそのように聞こえるのかと思い、天気予報の際は、東京生まれの松戸育ちのヨメに「今コイツなんて言った!?」と聞いたところ、やはり「ええ天気」と聞こえたらしい(!)。
 ヘルシンキのバス停で空港行きのバスを待っていたところ、「ホンモノの関西人のおっさん」がスーツケースを抱えながら仲間に話していた。
 「実は荷物えらい軽いねん!」(←「ツハ、モツ、ライ、ルイネン」と読んでいただきたい)
 。。。もはや関西弁と芬語の区別がワタシにはつかない!!

 その後空港で帰りの飛行機に乗る前に、先日話題にした「しゃべっていないと口に虫が沸くフィンランド男」と偶然遭遇。これからリスボンへ行くのだと言う彼に、ワタシは思わず英語ではなく関西弁で
 「いっそがしいオトコやな〜っ!」
 。。。と言ったのだが、なんと「Yeah,yeah! Very busy云々」とハナシを続けてきた。。。
 もはや決定的である。こういう説を提唱したい:

 フィンランド人は、実は関西弁を理解している!!(笑) (か)



家長私的記録、夢中暦200205.13

 芬蘭詣でより帰国して5日目である。先週の今ごろはハメーンリンナでIII号突撃砲によじ登っていたのかと思うと(ばかップルの写真)、思わず遠い目になり自分を忘れてしまいそうになる。そう言えば帰国して以来、未だに愛用の腕時計を日本時間に戻していない(6時間遅れたままだ!)。現像の終わった写真をまとめねば。。(仕事せんか)。

 かの国に行くたび経験する感動的なことは数多あるが、国民性というのか何というのか知らないが、「誰とでもあいさつするひとびと」というのは非常に気持ちが良い。これから述べることは、これから渡芬しようと思っておられる日本人への注意書きでもあるのだが、かの国のなんらかのお店に入るときは、ほとんど必ずあいさつする(「Hei!」とか「Moi!」とか。いずれも「こんちは!」程度の挨拶)。店員もあいさつする。実際に買い物したときは、代金やつり銭のやりとりをするときにも挨拶がある(「Ola hyva"a"(どうぞ)」「Kiitos(ありがとう)」などと)。買い物せずに店を出ていくときも「Kiitos」と一声かける。
 以前読んだ本の中でもこのことに触れてあり、ある芬蘭人がロンドンに旅行した際、母国と同じように、買い物した店で「ハロー!」とかなんとか挨拶して、店員にヘンな目で見られたという逸話がある。

 芬蘭人というのは「無口・寡黙」というのが世界的に有名であるが、人口が少ないせいもあるのか、「いろんな人と接するのが『実は好き』」な人が多いんではないかと思うフシがある。前述の「店であいさつする」という例は、別に「常連客だから」というわけでもないようである。他の具体例としては「バスに乗るとき・降りるとき」も運転手との間であいさつがある。
 ところが、今回の旅ではその極端な例に遭遇して、多少面食らった。
 ハメーリンナの駅でスーツケースを抱えて大急ぎで列車に乗り(目的地はヘルシンキ)、息を切らしている私達にイキナリしゃべりかけてきた芬蘭人男性がいたのである。英語で

 「お!あんたら日本人か?オレが今そこで話していたのはスペイン人のおんなのこやっ!わっはっは。実はつい昨日、軍の仕事でカブール(!)から帰ってきたばっかりでねぇ。お茶でもせえへん?食堂車で。おごったるわ。のーぷろぶれむや!」

。。。というようなことを一気に話し掛けてきたのである(!!)。で、「他の国でならこんな調子のいいヤツはアブナイだろうな」と思いつつ(実際、よその国や日本国内でこんなヤツが話し掛けてきたら、ワタシは適当にあしらうことだろう。もうひとりぐらいグルがいて、スリをはたらくか荷物を奪うかすることも十分に考えられる)、誘われるまま食堂車でJAFFA(やっふぁ。「知られざる芬蘭雑貨」参照)を飲みつつ談笑。「談笑」と言えば聞こえがいいが、流暢な英語がもとより話せるワケでもない私達は、彼のしゃべくりにつきあわされていた、という方が適切である。
 「さっきのスペインのおんなのことはカブールで知り合ってねぇ。看護婦なんや。めっちゃええコやねん!ワシにベタ惚れやねん!ほら、こんなメールしてきおんねん!
などと言いながら携帯メールを見せてくれる。「I love youでどうのこうの熱い熱い」という話が書いてある。それに対する彼の返事も似たようなもんである。

 と、そうこうしているうちに列車は、ヘルシンキのひとつ手前の駅で一旦停車。彼の話はまだ終わらない。
 しかし話題は急展開!!
あ!ワシ降りなアカン!!ほなな!名刺渡しとくから、帰ったらメールくれやっ!!
と言いながら、疾風のごとく去って行ってしまったのである(!!!!!)。

 。。。どうやら芬蘭人というのは、「世界的に有名な無口・寡黙なタイプ」と、「しゃべっていないと口に虫がわくタイプ」という、両極端に分かれるようである(!)。

 さらに帰国する日のヘルシンキ=ヴァンター国際空港で、手荷物検査を受けようとしていたところ、後から「よぉ!また会ったねぇー!!」と話し掛けてくる男性が。。。そう、彼である。。。(!)。今からリスボンへ行くところだと言う。「むこうで、件のスペイン人のおんなのことウハウハ」なのだと言う。。。(笑)。「ほなまたあとで、搭乗ゲートで会おう。あ!向うのカウンターに忘れ物した!ほなな!」と言って行った。幸か不幸か、それ以来彼とは会えず終いだったのだが。。。う〜む、フィンランド人、なんだかよくわからないが憎めないヤツらだ!!(か)



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