射撃管制装置40式Kommandogerät"LAMBDA"

トゥースラの対空兵器博物館には対空火器そのもの以外に、その周辺機材も展示されています。
1943年3月にドイツから3台が輸入された、射撃管制装置Kommandogerät mod.40もそのひとつです。
フィンランドでは「ラムダ」と呼称されたとのこと。
(「デルタ」と呼称された旧型Kommandogerät mod.35も共にFLAK37の射撃統制に活躍)
敵機の位置や距離を算出して未来位置を予想、接続された高射砲の照準を指示をする機械で、
1000km/hで飛ぶ敵機までなら追尾可能な、当時最新鋭の装置でした。
同じくドイツから購入したヴュルツブルク・レーダーと共に、ヘルシンキ防空のための強力な機材として使用されました。

信じられないことに2012年には、この装置のプラモデル(!)が発売されたことだし、
そのキットで気になったことも含めて紹介しようかと思います。


・・・とはいえ、
撮影当時(2004年夏)まさかこれがインジェクション・キット化されるなんて思ってもみなかったので、
実は大きく写した写真はこの一枚しかない(おい!)。


ドイツにもいくつか展示されている博物館があるらしいが、
地理的にはココの1基が、「日本から一番近いコマンドゲレート40」だと言える。
(・・・言えるだけで、実際にはなかなか近くない!)
(写真クリックで拡大画像飛び出し)



「ハチハチ」の写真に写り込んでいた本機を拡大(無理矢理に)。
操作要員に13人もが必要な旧型コマンドゲレート35式とは違い、最低5人で操作できるらしい。



「フィンランド陸軍高射砲兵操典」より。
敵機の現在位置・高度・速度などの相関関係から未来位置を算出し・・・
こういうヤヤコシイ計算をする演算機なのである。(すべて芬語なのでますますわからん)


↑プラモつくってみた。

ところでこの装置の名称を、
「telemeter=遠隔計測装置」という呼称も間違っていないし、
「predictor=照準算定装置」という呼称も間違っていないが、
ここではそのまま「Kommandogerätコマンドゲレート=(射撃)管制装置」と呼ぶことにする。



同博物館の他の対空部隊周辺機材も見る      ヴュルツブルク・レーダーも見てみる



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