ヘルシンキへやって来る観光客が必ず立ち寄ると言ってよいだろう、大統領官邸前のマーケット広場kauppatori。 朝市でも有名だ。 雪のない季節には、朝市とはいわず一日中、数々の屋台が出ている。 土産物などの雑貨店と、海の幸・大地の恵みの食材店が数々軒を連ねている。 そんな露店商の中には、ファースト・フードを提供している屋台ももちろんある。 自前のフィールドキッチン(野外炊事車。モデラーならお馴染みの「野戦炊事車」)を牽いてきているのだ。 |
実際に調理しているのは、例えばこの店はパエリヤ(だと思う)を出している。 腹は減っていなかったので食べなかったが、新鮮な魚介類(その場で調達できる)を使ったパエリヤは、さぞや美味いものと思う。 |
岸壁には船を着けてそのまま屋台を展開する露天商もある。 ところで画面の奥に見えているレンガ造りの建物は、「屋内マーケット」と呼ばれる市場である。 ここも観光客が必ずと言ってもよい訪れる場所である(観光地図には必ず載っている。寿司バーもある!食べに入ったことがあるが、感想は・・・・いやいや、ぜひ実際に食べに行って頂きたい。面白いから(←・・・ってどんな感想だよ!))。 |
よく見りゃこれもフィールドキッチン。 そしてまたパエリヤ(だと思う)。 魚介類と、(そしてなんと言っても)ポテトの山! このフィールドキッチンの場合は、「牽引式巨大ガス・コンロ」と呼んだ方がいいかも知れない。 プロパン・ガスのコンロの上で巨大な鉄板焼きをしているのだ。 こうして見ると、様々な種類の民間用炊事トレーラーがあるものだなと痛感する。 |
ここにもフィールドキッチンで商売しているお店が。 ・・・・・・・・・・・ん?? ・・・・・・・・・・・あ?! ソ連軍のメシ炊きグルマじゃないかっ!! (唖然としつつ、頭の中を突然「♪ポーリュシュカ・ポーレ」が流れた・・・) |
なんてこった。 見紛うことなく、ソ連で開発・製造されていたフィールドキッチンである(正式な名称は知らん。ロシア語で「野戦炊事車」を表す「KP-○○」ではある)。 かつて我が家の近所の「メシ炊き車評論家」(!)であった現・グムカ高田氏によると、これは(タイヤこそ替えられているものの)戦後のソ連でKP-42Mの大容量・後継型として開発・生産されたタイプであり、その2つ釜と小判型のボディが特徴である、とのこと。 (当然の如く近隣諸国)あちこちに輸出されたそうであり、フィンランド軍にも輸出されたものの払い下げかと思われる。 煙突から煙は出ていなかったので、これもプロパン・ガスか固形燃料で火を起こせるように改造されているものと思われる(たぶん行政の指導があるのだろう。それともこのフィールドキッチンは、よほど保温性に優れているのだろうか)。 (思わず撮りまくったディテール写真など「実車写真集」に掲載) |
食ってみた。 ・・・味もない具もないソ連軍の悲惨なスープ・・・・・ではない!! しかもメニューは、「サーモン・スープ」「グリーンピー・スープ」「野菜スープ」の中から選べる(もちろん、「ぜんぶ入り(ミックス)」も出来る)。 めちゃめちゃ美味かったです、我々の選んだサーモン・スープ。 具だくさんで濃厚な味。 それでいて決してしつこくない。 「ソ連軍のメシ炊き車で作った料理がコレか?しかもメニューが選べるだぁ??こんなモノはリアルではない!」と怒る向きもあるかも知れないが(?)、ミリタリーとはまったく関係のない、まったく思わぬ場所でこんなシロモノの活躍が目に出来るとは。 |
ぜんぜん関係ないが、戦時中のフィンランド軍のフィールドキッチンの一種。(スゴイ!何がスゴイか皆さんにはよくわからないかも知れないが、スゴイ!) ハメーンリンナの砲兵博物館tykkistömuseoの展示パネルを複写。 こういうのを「フィールドキッチン」と呼ぶのであります。 なんか、こう・・・「萌え」ませんか?! |