ソ連製 野戦炊事車(ヘルシンキ市内)

旧ソ連製の「フィールドキッチン(野戦炊事車)」。
フィンランド陸軍で使っていたわけではなく、ヘルシンキ港のカウッパトリ(市場)で、
フツーに暖かいスープを提供する屋台で使用されていたものです。
本来ミリタリー色がまったくない状況における、ガッチガチのミリタリ・グッズ。
マニアを「フィールドキッチン天国」へと誘う観光物産!

当サイトでは珍しい(!!)超メジャーな観光名所。
世界各国からの観光客がヘルシンキで必ず訪れると言っても過言ではないだろう。
露天の屋台が立ち並ぶ、そんな中に・・・思いもよらぬ物体を突如として発見!

・・・あ!!・・・現役!?
ミリタリーもんを長いことやってる人なら、一目でコレが周囲と次元を異にしているモノだということがわかる!?


第二次大戦中の「KP-42」は、miniartが1/35でプラモデル化したことでお馴染み(?)だし、
「PK-43」はmaquetteの1/35やmilitary-wheelsの1/72でお馴染みの・・・架空兵器(!)ですが、
これは戦後のKP(ロシア語で「野戦炊事車」を表す)で、大きな圧力釜が2つのタイプ。
実は本当の形式番号をワタシは知らない・・・。(誰か知ってる?)


煙突の先端。
モクモク黒い煙を吐いているわけではないので、恐らく燃料は薪ではないのだと思う。


前方の牽引具周辺。
なにかとモノを置くのに困らない全体構造をしている(~~)


同じ方向から、前部と後部の境界部分をアップで。


右後方から。圧力釜のフタを閉める金具は緩めて外されている。


注文が入ると開く釜戸からは、暖かい湯気が立ち昇り、いかにも美味そうな香りを辺りに漂わせている!
(・・・と、思いながらも口では「鍋のフタが開いた!あぁ、裏のディテール見える!!」などと興奮気味)


スープを注文するために反対に廻る。ここから前方の釜がよく見える。
薪をくべる口のディテールがよくわかる(・・・注文しながら写真を撮るな!)。
ここのキレイさ加減から察しても、燃料は薪ではなく固形燃料でも使ってるんだろうか?


「鮭のスープ」「豆のスープ」「野菜のスープ」「鮭と豆と野菜、全部入り」を選べた。
そーか・・・釜が1つしかないKP-42やm/39ではダメだったのだ・・・釜が2つあるこのKPでないと、
この商法が成り立たない
ということがよくわかる!(^o^)
ロシアン・フィールドキッチンから出てきたスープの味はまた格別!
鮭とポテトがゴロゴロ!ライ麦のクラッカーもサービス!
(ソ連軍の飯炊き車なんかどーでもよいウチのヨメさんも、これには大満足だ)


4年後の2008年にヘルシンキを再々々・・・々訪した時にも居た。居てくれた。
同じスタイル、同じオッチャンとオバチャン。


小さな鍋を保温するホット・プレートの配線は、KPに繋がっているわけではない。
(敷物をしてモノを載せているあたりが(ロシア人じゃなくて)フィンランド人だなぁ、と思う(~~))


さらに翌々年の同じ場所・・・見渡すと・・・
・・・居た居た、まだ居た!(^^)


オッチャン、ちょっと痩せた?
(冬はこのKPを牽引してくることは困難なのか、この後、冬のヘルシンキでこの屋台を見かけたことがない)


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