T-26m1939軽戦車
(OT-133火焔放射戦車改造)


前項にて述べた通り、
本車は元来、「OT-133」火炎放射戦車だったものを、
継続戦争初期に捕獲したフィンランド軍によって火炎放射器を撤去され、
通常の戦車として改造されたものです(その数、3輌と言われている)。
ただし戦争極初期には、そのまま火炎放射戦車として再使用もされていたようです。
もともと火炎放射器は、砲塔に(45mm戦車砲の代わりに)搭載されていました。

また、T-26m1933をベースにした「OT-26」や「OT-130」、
m1939のもうひとつの火炎放射型「OT-134」(こちらは主砲はそのままに、車体前部に放射器がある)
も数両捕獲されましたが、これらの火炎放射戦車もことごとく、
通常の戦車/訓練車輌として改造・再使用されたとのことです。


←「元OT-133」
(純正)T-26C→

車内に火炎放射器の燃料タンクを搭載する都合上、
車体に向かって左側にオフセットされた砲塔の位置がお分かりいただけるでしょうか。

上が「元OT-133」のT-26C。下が(純正)T-26C。




通常のT-26m1939と健著に違うのが、この車体前方機銃の存在です。
この五角形のマウントは、捕獲した芬軍によって、DT機銃のマウントとして独自に増設されました。
なおこの改造は他の「元火炎放射戦車」にも施されていたので、
恐らく最初は、純粋に火炎放射戦車として使用する際の補助武装として考案されたのでしょう。




車体後部(左右)。排気管/マフラーは外れています。
そのおかげで車体後部向かって右側、
大型バンパーと車体の間、マフラー支持架に隣に、溶接どめされた四角い板が見えます。
これはこの戦車が「元OT-133」だったことを示す、
車内の火炎放射器へと続く燃料管/ポンプを設置していた痕跡(ですよね??)。




機関室上部と砲塔後部。
砲塔後部の円形の板は、機銃マウントを塞いだものです。



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