野戦炊事車 m/29(戦後仕様)
フィンランド国産のフィールドキッチン(野戦炊事車)、m/29。
以下の写真は2008年に中央航空博物館(ティッカコスキ)隣接の
サープラス・ショップに売りに出されていた(!)個体。
あ、3台目の飯炊き車だ! ココへは飛行機を見に来たハズなのに!
博物館駐車場にポツンと建っているサープラス・ショップにて(2008年)。
レストア必須だが、保存状態は決して悪くない。
(割と最近まで現役だったんだと思う)
この個体は今までに見た事のない角型のフェンダーが車体に付けられており、
車輪も初見のタイプだが、自動車牽引に対応できる戦後のホイールかと思う。
・・・コレ、値札が付いてたんだよ・・・煙突に鉛筆書きの紙が。
手が出せない値段じゃなくて・・・何十万円だったかなぁ。
・・・欲しいなぁ。
車体前部の塗装はさすがに劣化している。
とはいえ湿度が低い低い国なので、木部の劣化状態が日本のそれとは違いすぎる。
車体前部と後部との間。
200リットルの大きい鍋。
売り物だけあって、品定め・・・し放題!
今まででイチバン良い取材対象だった(^^)
買うかも知れないから、開けてみた。
我が家の鍋よりキレイである!
牽引具やらなにやら、付属品が無造作に放り込んであるが、
今ならこれら全部付いて、お値段、中古の軽自動車並み!
(確かそんなもんだったと記憶している。輸送費と維持費の方がよっぽど高いよ!)
車体後部の底に潜り込んで前方に向かって。
いっちょまえの板バネサスも付いているが、ちょっと不安になる車軸である(~~)
左側の車軸。
リフレクタ(反射板)は戦後仕様。
車体前部右側。
斧の装着金具など完備。
車体後部。
古い銘盤は外されて、車体前部右側に新しいものが付いていた。
銘盤のアップ。情報満載!
車体後部の薪をくべる口。
掃除のために底部は下に開くようになっている。
買うかもしれないから・・・動作確認した!
車輪の計測も忘れずに。
煙突にビニール袋が被せられていたので、傘の形状は確認できなかった。
定規の当て方が間違っているが(!)、
車体前部のパンチ穴1個の直径は20mm。
ところで「スープ大砲」の鍋で煮込まれているスープとは、どんなスープなのか?
ヘルシンキの友人:Olaが再現してくれたので紹介する。
↑こんなだ。これはフィンランド家庭でもお馴染みの「hernekeittö(豆のスープ)」という。
美味い・・・旨い!
刻んだハムが入っているが、これは「savukinkku(スモークド・ポーク)」。
(彼はこれがイチバン旨いという)
ただし戦後でも軍隊ではそもそも肉が入っていることが稀で、
もし肉が入っていたら、その日は「事故があった」と呼んでいたらしい(・・・誰かが肉切り包丁の犠牲者に!?(~o~;))
日本人としては、ちょっとカレー粉なんか混ぜても良いかと思う。
→ヘルネ・ケイットのレシピはココ!
直接関係はないが、これもフィールドキッチン・ネタ。
「koskenlaskija(こすけん・らすきや)」というチーズ。
長距離行軍や偵察行の際は、糧食として必ずリュックに一つ放り込んだそうである。
どこのスーパーでも何種類かの風味が発売されているが、「perintainen(=オリジナル)」がイチバン旨いと思う。
(すっかり我が家のお気に入りチーズだ!)
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