76.2mm野砲M1942(ZIS-3)

大砲の国:ソ連の傑作野砲。
1942年に制式化されて以来、恐らく世界で一番多く生産された砲。
(その数48000門以上!今でも紛争地域の映像でその姿を見ることがある)
その初速の速さから対戦車砲としても活用され、
「撃たれた後で発射音が聞こえる!」という驚異的逸話から、
ドイツ兵から「Ratsch Bumm(ラッチュ・ブム)」とニックネームされたことでも有名。

継続戦争中に侵攻したソ連軍から少数捕獲したフィンランドでは、
「76K/42」「SiS-3」という名称で呼ばれ、戦後も使用されました。
写真は砲兵博物館に展示中の1門。




砲盾上部が既倒式ではない「野砲」。
隣近所には、同じ口径76.2mmのソ連製野砲が並んでいる(例えばF-22)。



砲盾裏側より。



砲盾裏側の左側&右側。
ソ連では本砲の生産途中から、この砲盾上部を既倒式にしたZIS-3が出現する。
(57mm対戦車砲ZIS-2の砲盾などと同じ構造)
「対戦車砲」として活用する際、背を低くするためである。
既倒式砲盾でない本砲は、(純然たる「野砲」として設計された)生産前期の産物であると言える。



左舷から見る。
因みに車輪はGAZ-AAトラックのものと同じだそうだ。



左舷から砲架前部、アップ。



そのまま前に回り込んで、アップ。



マズルブレーキのアップ。 ワタシもそろそろ、あっぷあっぷ。
鋳造製の本体に、意外と複雑な加工が施されているのでした。



ところで砲脚の末端は、このように閉じられる。
イタレリ(現在はズヴェズダから発売中)の傑作キット、ディテールアップの参考に。


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