ブルースター・バッファロー
B239戦闘機(BW-372号機) フィンランドの歴史においては、もはや伝説の名戦闘機。
太平洋戦線の米英軍で使用されたバッファローはさっぱり活躍できず、その上「空飛ぶビヤ樽」とあだ名されたということで有名ですが、冬戦争終結直前にスウェーデン経由でもたらされた44機のバッファローB-239型(フィンランド風に「brewster」を発音して「ブルーステル」。または略号「BW(ベー・ヴェー)」をその字も発音も似ている「PW(ペー・ヴェー)」と敢えて読み違え、「Pylly-Waltteri(ぴゅぃっりゅぃ・ヴぁるってり):デブっちょウォルター君)」とも愛称(~~))は、継続戦争でめまぐるしい活躍をし(44機で477機を撃墜したという記録は凄まじいものである)、大変に愛着され「taivaan helmi(たいヴぁーん・へるみ):空の真珠」とも愛称される傑作戦闘機となりました。
なお、今に残る世界でただ1機の「空の真珠」は、墜落から56年後の1998年8月にロシア領カレリアの湖からサルベージされたもの。
そして(まったく、すったもんだ紆余曲折あった末に!)現在、中央航空博物館で特別展示中です。
(ただし2012年6月まで→2016年夏までの予定に延長! その後は、本来の?持ち主である、アメリカはフロリダ州ペンサコラの国立海軍航空博物館に、このままの状態で展示されるとのこと(!))
因みに本機以外にフィンランドに残るブルーステルの遺骸は、航空博物館のBW-393号機(の一部)のみ。
会いたかった!・・・念願叶って、初めてのご対面!
思わず目頭を熱くしている旦那!
(と、何がどう凄いのかわからないまま撮影した細君)
「・・・うわあぁ・・・」と声が出たまま、なんというか、圧倒されて、言葉も出ない旦那。
(と、他にすることもなく撮影した細君)
よくぞここまでオリジナルの塗装が残っているものだと、感心する!
カウル下部はつぶれてしまっているが、それでも保存状態が信じられないほど素晴らしい!
(とはいえここまでのレストア作業も、さぞや大変だったことと偲ばれる)
左舷から。
左主翼上面のアップ。
さらに先端をアップ。
鮮やかな赤の翼端灯と、鮮やかな青の編隊灯。
ところで塗装が剥げているお陰で、黄色(敵味方識別帯)が塗られた上から、迷彩塗装(緑と黒)が重ねられていたらしいことがわかる。
(黄色が翼上面にまでまわっていたことがわかり、後生のモデラーに「そんなに神経質にマスキングせんでもよい」という安心感を与えるものである(~o~))
左主翼下部。
翼下面にも機体番号「BW-372」がマーキングされていた機体であることがわかる。
(翼下面のコードレターは、機体or時期によって描かれていないものがある)
反対に右主翼先端下部。
こちらの翼端灯は、緑のアクリルカバーを通して点灯する。
同じく左舷からコクピット周辺を。
主翼の「幸運の青い鍵十字」は完全に色落ちてしまったが、胴体のそれは(褪せてはいるものの)青色が残っている。
左舷後部。
尾翼動翼の布貼りだった部分は流石に失われ、骨組みだけになっている。
胴体に近づいてみた。
撮影者はこうしている間も、猛烈に感動している。
黄色をフラッシュ無しで接写しておいたが・・・ちょっと模型の塗装の参考にはならなさそうだ。
(ひとつ言えることは、フィンランド空軍の黄色は「純粋な黄色」ではなく、「ちょっとオレンジに振られている」ということである)
パート2へ続く!
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