ウラル375Dトラック
指揮通信車


旧ソ連のURAL自動車工場(もとWW2中のZIS)製の6軸・6輪駆動(フルタイム6×6)のトラック。
原型の「375」トラックは1965年に、改良型の「375D」は1969年に開発されました。
フィンランドに限ったわけではなく、旧ソ連圏を中心に、軍用/民間で広く使われました。
数々のバリエーションがありますが、これは荷台部分に箱型のキャビンを設け、最前線における(対空)砲兵部隊の指揮/通信/管制を執るための設備を備えたトラックです。
対空兵器博物館に展示中のものです。




全景と正面。なんとスパルタンな容姿だ!このトラックは欲しい!
因みにインジェクションキットは、1/72ではウクライナのAER社とZVmodel社がこのトラックのバリエーションを模型化しました(1/35でもキット化してくれぃ!同じくウクライナのオメガK社が発売した1/35キットは、本車の後継車である「ウラル4320」(目立つところでは、グリル形状などに違いがある))。





後方より。




その後部ドア中央には、
「(ヘリコやクレーンによる移動の際は)こことここを引っ掛けて、こうやってぶら下げろ!危ねーぞ、このヤロー!
というようなことが図示されております。皆さんもぶら下げる時は(そんな時あるか!)注意しましょう。



キャブ左(運転席)側下方のライト付近。




車体左側下部に設置された燃料タンクと、消火器。




ボンネット前部、左側。
ボンネットの固定具のディテールと、グリルの格子形状に注意。




キャブ右(助手席)側。
ドア直前、天に向かってにょっきり突き出ているのは、エンジンへの吸気管(排気管やグリルに防水装備を施せば、この突き出した位置ぐらいまでは潜れるということだ←そりゃ、それ以上だと運転手が溺れちまうよ!)。なんとも頼もしいヤツだ!。

因みにドア中央の青いラウンデル(フィンランド軍の国籍表示)は、塗装ではなくステッカー(シール)になっています(このシステムは現用フィンランド軍車両に共通)。




右の前輪。
悪路での走破性を高めるべく、タイヤの空気圧を下げるための仕掛け:「集中式タイヤ空気圧制御装置」が付いています(運転席での操作により、路面状況に応じて圧を下げたり上げたり出来る。空気圧を下げれば泥濘や凍結路面でも、しっかり地面に食いついて走ることが出来る)。




車体下部右側(キャブと荷台のちょうど中央)。
排気管はここに突き出しています。予備タイヤも、隙間を埋めるように装備。





こちらは同類ですが、より古い(先代の)、ZIL-157トラック車台の指揮通信車です。
これはハメーンリンナの砲兵博物館に展示されていました。
まったく同じ車両の1/72キットが、ウクライナICM社から発売になっています。



→バリエーション:「対空ミサイル搭載車」も見てみる!

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