W号戦車J型(Ps.221-3)

継続戦争の末期、ドイツより合計15輌が供給されたものの、フィンランドに到着した時には時すでに遅し。
対ソ戦講和条約が結ばれた後になってしまったため、悲劇的にも、
引き続いたラップランド戦争において、在芬ドイツ軍を追い払うための戦力として用いられる結果となりました。
本車両は「Ps.221-1」として展示されていますが、
実は「Ps.221-3」であると、フィンランドのサイトwww.andreaslarka.netでJ.Purhonen氏が称えていました。



全景。逆光の中に映えるその姿・・・フィンランドにとっては念願の「ドイツの主力戦車が来る!」と喜ばしいことであったろうに・・・。
(とは言ってもすでに主力はパンターやティーガーに移っていて、W号は非常に古いスタイルの戦車となっていました)


左前方より。このJ型は、戦前のA型から始まるW号戦車の中でも最後の形式であり、
またそのJ型の中でも後期に生産されたものであることが、この展示車両の特徴からわかります。


右後方より。砲塔右側のハッチのクラッペは(前後とも)廃止されたものになっています。
また車体後部や車体側面下部には、ツインメリットコーティングの一部がまだ残っているところがあります。


左後方より。砲塔左側のハッチ:前方にはクラッペあり(スリットは溶接で塞がれている)、
後方のハッチはクラッペの廃止されたものになっています。
また砲塔後部両端には、用途不明のフック()が1対づつ付いています。
J後期型ではよく見られる。どうやら、シュルツェン底部に金網を引っ掛けるためのフックらしい!


車体機銃マウント基部から車内を覗く。オリジナルのMG34から、マウントごとデグチャレフ機関銃に換装されています。
展示車両は機銃とマウント本体が無くなっていて、車内の砲弾ラックがかろうじて見えます。


前照灯。きれいに残っています。


車体後部、冷却水給水口ハッチ。ハッチ自体は紛失していますが、おかげで中の栓がよく見えます。

Ps.221-6号車も見る   Ps.221-xx号車も見る


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