ピリII高等練習機(PY-27)

フィンランド国産の高等練習機。
1939年3月に試作機(ただ1機だが、量産された「PYRY II」に対して「PYRY I」と呼ばれる)が初飛行して以来、総計41機が1962年までフィンランド空軍で使用されました。
「PYRY()」とはフィンランド語で「雪嵐(ブリザード)」という厳めしい意味ですが、その操縦性は非常に扱いやすく、ダイナミックなアクロバット飛行がし易かったそうです。

「pyry」はカナ表記がほぼ不可能!(強いて表音するなら「ぴゅぃりゅぃっ」! 「myrsky(ミルスキ)」もそうだが、「y」の音はドイツ語の「U-ウムラウト」と考えてよい。博物館のフィンランド人から直接この発音を教わったのだが、「『ぴゅぃりゅぃっ』は『ぴゅぃりゅぃっ』としか言いようがないがな!」とのこと。。!(--;))
当サイトでは便宜上、「ピリ」と表記いたします。




以下の写真は、ヴァンターの航空博物館に展示中のもの。
(中央航空博物館の方には、不完全ながらPY-1号機(ピリI)が保管されているらしい)




主脚(左側)は固定式。隣の写真は、冬期に挿げ替えるスキー脚。




水平尾翼(右側)。
波布張りで、フォッカーD-XXIのそれと形状がよく似ています。



右後方より。
胴体側面は、モラーヌ・ソルニエMS406のそれと似たラインを持っています。




機首下面から主翼の付け根にかけて。




主翼に(ほとんど強引に!)開けられたスロット。
初期の機体にはありませんでしたが、戦争後期から徐々にこのスロットを増設された機体が多くなりました。
(この経緯はフォッカーD-XXI戦闘機のそれと同じ。これについては、「ふぉっける主翼のスリット/スラット/スロット」を要参照)




エンジンカウル。
エンジンは、450馬力のライト・ワールウィンドR-975-E3。




カウル側面(右側)。




機首前方、カウル側面(左側)。



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