ピヨレミルスキ戦闘機(PM-1)

フィンランドの国産戦闘機。ドイツから購入した(傑作戦闘機メッサーシュミットMe109:フィンランド呼称メルスと同じ)ダイムラー・ベンツDB605ACエンジンとプロペラを搭載した木製戦闘機で、国産「ミルスキ(嵐)戦闘機」シリーズの最終最強の形態。
フィンランド空軍の「メルス並みの戦闘機を」という要求から、国立航空機工廠に対して1942年11月に試作計画が立てられたものの、1945年11月にしてようやく第1号機(試作機)が初飛行できました。結局、対ソ戦の空の切り札とはなり得ませんでしたが、終戦の年にしてついに列強諸国と並ぶ性能の戦闘機を開発したという意味においては、大いに歴史的な航空機のひとつと言えるでしょう。なお、この試作機は1947年まで試験飛行が続けられ、現在では中央航空博物館でその余生を送っています。

「pyo"rremyrsky(=旋風、竜巻)」は正確にはカナ表記不可能ですので、
当サイトでは(名著「北欧空戦記」で紹介された頃から親しまれている)「ピヨレミルスキ」を使用いたします。
強いて表音するなら「ぴゅぃぉぇれ・みゅぃるすくぃ」(苦笑)



全景。写真の手前は、ドイツから購入したメッサーシュミットMe109G-6/Y(メルスMT-507号機)




機首右側。排気管の並び方も機首の外見も、(当然のことながら)メルスと同様です。




機首左側。その構造はMe109Gと瓜二つで酷似しています(隣の写真がメルス「MT-507」)。
特に上部構造は「そのもの」に見えます。




機首、スピンナー。メルスと同じモノかと思いきや、どうもディテールに違いがあります。
隣の写真が「MT-507」のもの(こちらは機銃口周囲に丸い凹みが並んでいる)。




垂直尾翼。




右側胴体後部(尾輪周辺)。機首を除いてすべて木製です。



胴体右側(コクピット下部周辺)。




コクピット左側下部後方にある脚掛け。面白いことを発見しました。
このフィンランド製戦闘機のものは「蹴り上げる」構造なのに対し、
隣の写真で示すドイツ製Me109G(メルス「MT-507」)のものは、「踏み倒す」構造になっています(バネ部分をモロに踏みつけてしまう)。
ピヨレミルスキのそれは、「(溜まる土や泥の)掃除がしやすいためではないか」という説が、この写真をご覧になった方から出ました。
当サイトでは、今のところこれを最有力説と考えています。




胴体左側後部、救命キット収納部ハッチ付近。




コクピットからその後部にかけては直線でつながっています。




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