航空博物館(ヴァンター)
Suomen Ilmailumuseo , Vantaa



 ヘルシンキ=ヴァンター空港に隣接する施設のひとつにこの博物館があります(「ヘルシンキ空港」というのは実は、ヘルシンキ市の隣のヴァンター市にあるのです。千葉県にあるのに「東京国際空港」みたいなもん?)。
 2015年に開通した、空港からヘルシンキ中心部を結ぶVR(国鉄)環状線=リングレイルラインの「AVIAPOLIS(アヴィアポリス)駅」のすぐそばにあり、創設以来現在に至るまでの、空軍とフィンランド航空の歴史資料・展示があります。 環状線はラブリーなハート型をしていますが、そのハートの最上部:ほぼクビレの部分に存在する駅なので、ヘルシンキ中央駅からならば、「I-juna」と「P-juna」(=言うなれば「内回りと外回り」)を間違えた!」としても、あまり問題はありません。
 また2000年前後に増改築された際に、カフェや資料室、多目的室(団体客用)も併設され、非常に充実した環境になっています。 模型や航空雑誌/書籍等の土産ものコーナーもあります(お土産のアイテム数が、年々充実してる!!)。

 今は昔1996年の初訪問時には、空港の案内嬢がわざわざ我々二人だけのために大型バス(!)(以前は空港駐車場が博物館前にあり、無料循環バスで10分程度だった)を呼んでくれ、館に着くとおっちゃんとお兄ちゃん二人が切り盛りしている(「客が来たから灯りをつける」「客が来たから暖房を入れる」!)、という非常にほのぼのした(文字通り、寒い寒い)博物館でした(が、数々の実機の圧倒的な迫力とのギャップが面白かった!)・・・・・今や明るく広く、周辺も20年前がウソみたいな環境になっています

 リングレイルラインの「空港駅」からは、そのまま「AVIAPOLIS駅」に直行できるようになっています(しかし2018年夏は一部区間が改修工事のために、「終日運休」になっていたので「内回りと外回り」の選択を間違えると時間を大幅にロスする状況になってましたが←ummm・・・たぶんJRさんなら、連日終電後の作業だけの十日間ぐらいで終わらせてしまう工事なんだろうなぁ。VRさんはそうはいかない)。

 2018年現在、入館料は10エウロ。 売店やカフェテリア(夏場のお昼には「スープ・ランチ」なんて定食があるらしい!)はフリースペースなので、書籍やグッズを物色するだけに立ち寄ることが出来ます。 飛行機の乗り継ぎやチェックインの合間に、大きなスーツケースを持ったままでも安心して訪問することができたクロークルームは、今では売店のスペースになりました(!)(もっとも、お願いすれば受付カウンターの裏で預かってくれます)。 とはいえ、空港での退屈な待ち時間を潰すには持って来いの穴場と言えるでしょう!(もっとも、フィン空や飛行機になんの思い入れもない人には更にキツイのかも知れないが・・・・)

開館時間(2018年現在。HPによる):
 月曜日〜金曜日→10:00〜20:00
 土曜日と日曜日→10:00〜17:00
 (元旦と大晦日、6/23〜24、12/6、12/24〜26を除いて基本的に年中無休。ありがたや)

航空博物館HP(英語のページあり)
http://ilmailumuseo.fi/
(フィン語でしか案内されていないページに、さらに巨大な新しい航空博物館を建設する計画が進行中(!)で、2022年で現在の建物は手放す予定との情報あり!)

主な収蔵展示物(実機写真集へ)《編集中》

 因みに、前回更新前(2015年以前)までの内容はコチラ


 AVIAPOLIS駅の地下ホームを地上階出口へ向かうエレベータに乗ってみた(・・・相変わらず駅に「改札」というものは無い)。

 この駅のエレベータがちょっと変わっていて、垂直ではなく、傾斜角度日本一の比叡山ケーブルカーを遥かに凌ぐ(!)斜め45度以上なんである。(以下の写真、2018年夏の撮影)
 地上に上がった途端に・・・この変わりよう!!(以下ぜひ、前回更新時の旧案内ページ下方の写真と比べていただきたい)
 2015年秋の訪問時にはまだ工事中で、コンクリートの幽霊ビル状態だった建築物は・・・なんかすげーオサレな「カールトン・ホテル・ヘルシンキエアポート」なんてものになってる。
 前回更新時に、『駅周辺は、たぶんこれからまだまだ変貌するのだと思う』と書いたが、こんな変わりようになるとは!(・・・フィンランドの工事現場だから、いつになったら完成するのやら/しないのやらと、正直ナメていた)。

 既存の地名ではない珍しい駅名「AVIAPOLIS」が、確かに「aviation+polis=航空都市」たる所以になった。
 DC-3「LOKKI(OH-LCH。旧DO-8号機)」が、博物館の大きなランドマーク(最近まで飛行していた機体だ)。
 数年前から実は、フィンランド国産:ミルスキ戦闘機のレストアが着々と進んでるの、知ってる?!(2019年に完了して公開予定というが、まだまだ資金が不足しているようで、博物館の入り口に募金箱が置いてある。フィン空者は、売店で関連グッズを購入しつつ、皆で小銭を出して協力しよう!)

 写真がそのミルスキII「MY-52号機」(・・・ではなく、イベント用に作られた「お子様専用みるすきせんとうき」。情操教育だ←情報操作教育ではなく!)。
 屋内にはギッシリとフィンランドで実際に使用された数々の機体が、所狭しと詰め込まれており、昔から中央にドーンと迫力のIVLのA.22、ハンザ・ブランデンブルクW.39のライセンス生産型が鎮座。
 確かにこのままでは館内が手狭になる一方だ。
 ドラケンの射出座席。 わかりやすく、DK-206号機の前に置かれるようになった。 館内には実際に乗って遊べる無料の簡易シミュレータ(以前は単なる展示物だったドラケン・シミュレータを改造したもの)もあって・・・楽しいぞ!
 SAABサフィール91D「SF-9号機」の機首カバーが開けられており、エンジンがよく見える(エレールのキットを作り込む人は必見!←そんな奇特な人にぜひ見て欲しい、という博物館の心意気?!)。
 ところで冬の館内はとにかく寒く、撮影するときには息を止めるように! 自分の吐く息がカメラの前を漂ったり、レンズ自体が曇ったりするので要注意!
(前回この副座バンパイアVT-9号機のキャノピーを撮影した時も失敗していたので、今回撮り直したのだ。そーゆーところも博物館側は気にしていて、展示機と来館者の双方に、より良い環境を欲しているのだ、とのコメントがホームページにある)
 いきなり「(写真偵察型の)Do-17に搭載されていたカメラRB-75/30」なんてモノを、急に出して来られても・・・(概してどの博物館もそうだが)いっぺんに目の前に出される情報量と迫力に圧倒されるばかり!
 博物館の玄関脇には、現在MiG-21BIS「MG-135号機」が鎮座。 あれ?「MG-111号機」が居たよねぇ??
 ・・・実は(フィンランドに輸入された1番機:最初のMiG-21BISたる)MG-111号機は、残念ながら2016年8月に老朽化のためにスクラップにされてしまったのだった(空軍は「捨てる!」と言ったけど、博物館側が「機首だけ残して、シミュレータの母体にしたら?」と提案しているとのこと)。
 ・・・で、その残骸を発見!!(例によって博物館駐車場奥の隅っこ「色々ゴチャゴチャ置き場」の中に!)


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