「モビリア」自動車・交通博物館(カンガサラ)
auto- ja tiemuseo:MOBILIA , Kangasala



 タンペレ市内から約20km、カンガサラKangasalaという町にある、(日本では)知られざる北欧最大の自動車博物館
 実際に行ってみた結果だとわかるのですが、確かにサイクリング・コースとしては距離も風景も最適だと思います(あんな美しいコースは他に見たことがない!、と言っても過言ではない。2018年7月に訪れた際は、おりしも博物館が地元トライアスロン大会のゴール地点になっていて、結構なお祭りになっていた!)。 博物館のウリのひとつに「風光明媚な港を設けておりますので、自家用ボートでもお越しください!」・・・ってそんなコト言われましても・・・(~~;)

 あいにく自転車やボートを持って来ていない我々は(当たり前だ!)、タンペレ市内から路線バス「40B系統」で現地へ(2018年現在。その後あちこち訪れる場合は、一日乗り放題のチケットを入手しておいた方がガゼンお得)。 そう、なんと今では、路線バスが博物館まで通っているのです!
 初めて訪れた2004年の頃は「観光客を寄せ付けない」ヘンピな場所だったのに、ようやく「商売っ気」を出してきたか・・・とはいえ、過剰なまでの客寄せや押し付けがましさは感じさせません(?)。 経営・維持は大丈夫なんだろうかと、老婆心ながら心配になってきます(←どうも要らぬお世話のようで、創設者はフィンランド自動車業界では著名なSallinen夫妻、大富豪たる人物の基金・財団らしい)。 なお所在地でいうと「Kustaa Kolmannentie 75」になりますが、最寄のバス停の名称自体が「MOBILIA」となっています。

 メインの展示館(テーマ展示以外に、)と別館(クラシックカーのコレクションがハンパない!圧巻の「ラリー博物館/ラリーの殿堂」も併設)から構成される、ますますキレイで近代的(・・・になった!)この博物館。 レストラン(もはや「カフェテリア」規模ではない)とミュージアムショップも充実(ミニカーやTシャツなど自動車をモチーフにしたグッズのほか、貴重な資料となる書籍が豊富!お陰で散財することウケアイ!)。 入場料金は大人1人12エウロ(2018年現在。6ユーロだった2004年春に比べると・・・。ただし0〜17歳は子供料金・・・てか、無料!)。

 しかし展示物(すべて屋内展示)は、「北欧最大」と聞いていたワリには少ないように感じます。 ここで見られると思っていたキューベルヴァーゲンは?ビュッシンクNAGは?テンポG-1200は? 無いじゃないか!? ・・・・・これはどういうことかというと、実は(あまりにコレクションが多いので!)毎年テーマを決めて入れ替えているのだそうです(収蔵品点数は膨大でしかも珍しいものばかりのようですが、残念ながらそれらは非公開。実際のところは、「収蔵品点数が北欧最大」と言った方が適切なように思う)。 見学を目的とする特定の車輛が展示中かどうかは、訪問する事前に問い合わせておいた方がよさそうです。 しかし、自動車好きの(それも「どマイナー」で「ヘンなクルマ」に思い入れのある!)人なら、間違いなくここで面白いモノが見られるでしょう。
 そして、まるでキシリトールガムのコマーシャルの中から飛び出して来たような美しい自然の風景! 素晴らしい!

 なお近隣には姉妹博物館たる、もう一つ自動車博物館「Vehoniemen automuseo(ヴェホニエニ自動車博物館)」(そのHP。のほほん家族経営って感じだ(^^))があることを事前調査の情報で掌握していたのですが(実はこっちの博物館の方が古いらしい)、MOBILIAから更に数km離れているということで、気力と体力(と財布の中身)が続かず訪問は断念。(~~;)


開館時間(HP記載の2018年の予定。その他イベントや祝日、クリスマス週間の休館日等があるので注意):
 1/2 〜 5/31→毎日10:00〜16:00
 6/1 〜 8/14→毎日10:00〜18:00
 8/15〜12/21→毎日10:00〜16:00

自動車・交通博物館HP:
http://www.mobilia.fi/


主な収蔵展示物(実車写真集へ)《編集中》

 因みに、前回更新前(2015年以前)までの内容はコチラ


 メインの展示ホール。 この十数年の間に、建物の規模が拡張されたようだ。 周辺は豊かな緑と、大きな空と美しい湖の青に囲まれることに変わりはない。
(以下の写真、2018年夏の撮影)
 この時のテーマ展示は、「バス」(!)。 バス・マニアには、もーぉぅたまらない。
 1920年代から現代に至るまでの、フィンランド国内を走っていた路線バスのコレクションが集約されていた。
 1939年製ボルボのオムニバス、LV85。 冬戦争中の野戦救急車。
 保存状態も素晴らしく、存在そのものがムチャクチャ資料性の高い車両で、しかもそれを細部まで取材し放題なのだが・・・
 いかんせん・・・困ったことに・・・模型化されていない(!)。
 フィンランドでナン丁目の夕陽だか知らないが、ボルボやヴァナヤの「懐かし系」の路線バス。
 出ました!!ラリーの聖地フィンランド、2016年にオープンした「ラリーの殿堂:RALLY HALL OF FAME」!
 この後、その規模の本気度と展示車両の濃さに驚くことになる(・・・つまり、ラリーカーが好きな人だけが泣いて喜ぶ)。
 殿堂入りしているラリー・ドライバー:歴代エースの紹介とそのスーツが並ぶ! コリン・マクレーとかカルロス・サインツ、ミシェル・ムートン・・・その他お歴々多数、そしてもちろんフィンランド人ドライバーの数が圧倒的に多い。
 あ!この人なら、知らない人も知ってるだろう、アリ・バタネン!・・・あのアリ・バタネンの実際のスーツが!(嬉泣)
 特に60年代から80年代にかけて活躍した名車の数々。 アウディ・クアトロやフォード・エスコート、三菱ギャランにランチア・デルタ・・・等々、有名ドコロの他に、見たことないような車もある。
 例えば、手前は今は亡き東ドイツのトラバントP601。 ラリーカー仕様なんて見たことなかった。
 事故や教訓も忘れない。 クラッシュした後に丸焼けになったカローラWRC(!)。 2002年7月フィンランド国内のEXIDE Ralliでの事故車。
 乗り込むことが出来るボルボに、現地のドライバー:幼い息子とコ・ドラ:若いママ。 こんなツーリングカー・レースは見たいぞ。
 (その後ろに見えるは・・・おお!今でも遊べる「セガ・ラリー」・・・懐かしーーー!!)
 見たことないクルマも多い! サンビーム・インプのラリー・カーなんて初めて見た。
 昔からこうゆう裏方さん達があってこそのラリー・レース。 車やドライバーと共に転戦するメカニックも忘れてませんよ。
 「ラリー・カーのプラモとかミニカーとか、もぉ世界中で人気で人気で」と紹介するコーナー。
 別館は「Mobilia Classics」と銘打って、本館から2〜250mほど離れた別棟になる。
 とにかく膨大なコレクションの数々! 別館も圧巻だ(非公開になっている車両も、レストアやレンタルを請け負っている部門に事前に相談すれば運がよければ・・・ということがあるらしい)。
 民間車両以外に警察車両まで数々コレクション。 威圧的濃紺色のSAAB-99とか、純白のダッヂ・アスペンのパトカーとか。
 マンネルヘイム元帥が戦時中から(戦後に大統領就任式でも)愛用したパッカードV12、「SA-1」が!
 惜しむらくはこの別館・・・照明が暗い上に、すべてガラス張りの向こう側に車列があるので(館内に誰も居なくてもセキュリティは万全!)、カメラの調整をしないと乱反射して撮影が難しい。
 さらに言うと、強化ガラスの向こうはもちろん入れないので、お目当てのクルマの後部を見たくても・・・見えない・・・なんとか見えそうな場所から望遠で・・・なんとかがんばってこんな感じ(でも元帥や大統領が邪魔しおる!(~~;))。
 まぁなにしろとにかく、かなりバラエティに富んだ珍しい車両が目白押し! ここも展示車両の入れ替えがあるので、(交通の便が良くなった今は)通っても飽きないだろう。
 周辺はまだこれからも開発・拡張する予定があるようだ。 そんな場所で見かける(日本では決して見かけない)重機もカッコイイぞ。
 夏のフィンランド国内のあちこちで目にする、美しい紫の花の群生。 「maitohorsma=ヤナギラン」というらしい。

 (長い間「吹雪超獣フブギララ」を「フブギラン」と覚えていたことを、突然思い出したぞ←怪獣消しゴムの足の裏のせいで)
 腕に「幸福の黄色いテントウムシ」が飛びついてきたので、そのままくっつけたまま旅を続けた。


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