中央航空博物館(ティッカコスキ)
Keski-suomen Ilmailumuseo , Tikkakoski



 ヴァンター空港そばの博物館とは別の航空博物館です。 フィンランド空軍創設から現代に至るまでの展示があります(そもそも空軍の歴史施設として設立されたため「空軍博物館」と呼んでも差し支えないようです)。
 その名が示す通り(keski-suomen=中央フィンランドの)、フィンランド中部の都市:ユヴァスキュラの北方約17kmにあります(・・・ということはすなわち、ど田舎(~~;))。 ユヴァスキュラの市バス(22番or36番)に乗って約30分、「・・・えらい田舎に来ちゃったなぁ」と思っているうちに、最寄のバス停です(一応屋根がある・・・という程度のバス停)。 住所で言えば、「Tikkakoskentie 125」。

 この航空博物館には、メルスG-6/Yやフムなどの実機がそのままに展示されています。 その他にもマニアックな飛行機が目白押し。 館の入り口には売店とカフェも併設されています。 売店では、この博物館発行の資料・書籍の他、飛行機の模型(ただしフィンランド空軍で使用した機種に偏りすぎ(^^))なども入手できます(コアな資料が揃うその場所を、「ミュージアム・ショップ」と呼んであげたいところだが、「売店兼カフェテリア」という呼称が相応しいだろう(~~;))。
 またここは、「プラモデルを作りましょう!特にフィン空をだー!」という気迫に満ちた模型の展示にも力を入れています(!)。 日本人のフィン空ファンとして特に注目すべきは、かつて「モデルグラフィックス」誌面を飾ったディオラマ群でしょう(あの誌面を見て育った人間としては感激至極!)。 誌面をにぎやかせた後、この博物館に寄贈されたそうです(作品の見事さもさることながら、自分の作った作品が地球の裏側で展示され、今も人々に感動を与えているとは壮大なロマンを感じさせる・・・というかなんともウラヤマシイお話です)。

 なお入館料は大人1人8エウロ(2015年現在。HPによる)ですが、「1年間フリーチケット」なるものが20エウロとお得です(←現地に住んでいればね・・・)。

 また、火曜・木曜日のみですが、サープラスショップ(軍放出品店)が屋外の駐車場内に開店します。 わけのわからんたいへん貴重で珍しい、航空機器や軍装品などが掘り出せることウケアイです(実際、地元のマニアやアウトドアグッズを探しに来るおっさんどもで、結構賑わっていた(~o~))。 放出品の軍用自転車だの(安い!安いけど持って帰れない!持って帰っても維持が大変!)、どっかの飛行機から取り外された計器類だの、何が書いてあるのかサッパリわからないものの読めると面白そうな公式文書だの(!)、一目見ただけではなにやらさっぱりわからない装置だの、面白い店です(・・・面白がることの出来る人にとっては(~~;))。 ←現在は閉店・・・というか移転して営業中とのこと(未訪問)。

: 「メルス」とはドイツのメッサーシュミットMe109戦闘機のフィンランドでの愛称。 「フム」とは米国のブリュースター・バッファローB-239戦闘機をフィンランドが国産化したもの(←全金属製のオリジナルに対し、主翼が木製だったりする。また、オリジナルは太平洋で日本軍にバタバタ撃ち落され「空飛ぶビヤ樽」と揶揄された駄っ作機だが、一方フィンランドに輸出されたそれは、バタバタとソ連機を撃ち落して多くのエースを生み出し、「空の真珠」と詠われた伝説の傑作機となった)。 因みに「フムHumu」とは芬語で「無鉄砲」とかいう意味らしい。


開館時間(2014年現在のHPより):
6/1〜8/15→10:00〜20:00 (6/19〜20は休館)
8/16〜翌5/31→11:00〜17:00 (12/24〜26は休館)
※屋外サープラス・ショップはSorastajantie 1Aに移転したとのこと。ただしその営業時間も、しばしば気まぐれに(?)臨時休業となることがあるようなので(!)、確実にしたい方は事前に問い合わせを。

中央航空博物館HP:
http://www.k-silmailumuseo.fi/


博物館の模型展示の様子(の極一部)

主な収蔵展示物(「実機写真集」へ)


 バス停で降りて、今来た道をふと振り返ると、あーあぁ・・・こんな田舎道に放り出されて。(2002年夏)
 しかし50mほど前方、道路を渡ったところに・・・あった!(巨大なレーダー・サイトもランドマーク)(2002年夏)
 フィン空ファンの聖地!(2002年夏)
 (文字通り)ところ狭しと並ぶ並ぶ!
 展示は、空軍創設(大戦間)期の機体の並びから始まる。(2004年春)
 WW2期の機体の並び。 模型や戦史で我々が胸躍らされた機体の数々。
 モデラー念願の光景である!(2004年春)
 戦後の機体の並びへと続く。(2004年春)
 この博物館、ヤケに模型に熱くなってるのがスゴイ。 なんと2階(ホールの周囲グルリ)はすべて模型展示エリア。 フィン空モデラー天国!
 「・・・モグラでこれを見て育ったんだ」と、思わず感慨咽ぶ作品も並ぶ。(2004年春)
 (今は無き)屋外サープラス・ショップの入り口。 店内は禁煙ですので、おタバコはここで消してから入ってください・・・・って、この手作り灰皿の脚のデコレーション、
飛行機のカタチになってる!!(^^)
(2004年春)
 当初は「2012年まで展示」と予定されていたブルーステルBW-372号機だが、2016年の夏まで貸与期間が延長されたとのこと(!)。
 ハリケーンによる被害を受けた米国海軍博物館(ロシアのサルベージ業者から本機を買い取った)が復旧するまでの間、「貸与」という形で「里帰り」していたのだが、正直やっぱりココが一番ふさわしい安住の地だと思う。(2010年春)
 こういう機会でもないと紹介されることは決してないだろうから、敢えて紹介しておく・・・お便所
 手洗いの後の自動巻上げ式タオルホルダーに注目。 ツーリンD型の前に立つフォン・ローゼン伯爵(?)と地元の子供(?)の記念写真がレーザープリント(?)されている!! フィン空関連グッズとしては、最もレアなアイテムではなかろうか(^^)。
 用を足した後に、必ず手を洗って拭きたくなる素晴らしいトイレだ(!)。(2011年末)
 歴代フィンランド空軍機を目前に、カフェで感涙咽びながら、美味い美味いコーヒーと甘い甘いムンッキ(揚げパンの一種)をほお張る、せいもく氏。
 嗚呼、至福のひと時。(2011年末)


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