JSU-152重突撃砲(ex.Ps.745-1)

重戦車JS-II(ヨシフ・スターリン)の車体に152mm榴弾砲を搭載した
自走砲ですが、対戦車戦闘にも使用されました。
芬軍では継続戦争中にソ連軍より2輌が捕獲・再使用されました。
1輌は再使用を始めて四日後に撃破されてしまいましたが、
もう1輌は、戦後に戦車回収車「JSU-152V」として使用されました。
その車両が現在戦車博物館に展示中の車両です。
この車輛の車歴はかなり変わっていて、1944年夏に捕獲された後、
主砲を撤去されて戦車回収車として戦後(1964年まで)に使用されていたもので、
同年この博物館に展示される際、再び主砲を搭載されて現在に至っているそうです
(それまで砲盾と主砲一式を保管しておいたのか。。。天晴れ!(参考:MG誌vol.27))

なおソ連式の表記では「ISU-152」となり、フィンランド軍では「SU-152」と表記されていたそうですが、
煩雑になるためここでは、一般的な西側表記で「JSU-152」を使用いたします。




全景。大迫力。
実際に目の前にすると「圧倒的な威圧感と恐怖」を感じます。
こんなモノが目前に迫ってくる状況というのは、想像を絶します
(実際、履帯破損で停車していたこの車両の捕獲時には肉薄攻撃で沈黙させたそうですが、
それがいかに想像を絶する行為だったか思い知りました)。




後方より(KVよりもデカイ尻)。
「改造マフラーで爆走!」するわけではもちろんなく、
1948年以降にエンジンを換装したのではないか(48年撮影の写真では標準のマフラー)、
それに伴い排気管の延長という改良も施されたのではないか、と考えています
(実はこの機関室の詳細を2002年5月の再訪時にデジカメ撮影していたのですが、
そのデータが現地で思わぬ事態により消失。。。また行って来ます(~~;)
ところでこのJSUというのは操縦方法が独特で、
戦時中はずっと同じ操縦手が担当していたとも、MG誌vol.27でレポートされています。



砲盾基部付近。
見るとこ見るとこ、すべてがゴツゴツしてる
(表面仕上げはかなり粗い。いや、「きれいに仕上げ」なんてものはなされていないようだ!)。
前部フェンダー縁の板のパーツ割りに注目(ただし戦後芬軍独自の改造)。




履帯右側(実際は右も左もありませんが)。
KVのものに酷似していますが、JS(IS)用のそれは
履板両脇のベロの部分が短い(ほぼ連結ピンの出っ張りと同じ幅まで)ことです。

※以前、KVの頁に誤って掲載していた写真です(ご指摘Kiitos、かば◎氏!)。


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