ホーカー・ハリケーン
Mk.I(HU-452/HC-452号機)


いわずと知れた英国製戦闘機。
1940年に12機(いずれもMk.I初期型)が供与されたものの、冬戦争には間に合わず。
(しかもその内2機は輸送途中で故障や事故で失われ!)
以下、ヴァンターの航空博物館に展示されていたHC-452号機(RAFのシリアル番号N2323)。
2004年の「1944年:防空戦の勝利」と銘打たれた特別展示にて。
ヘルシンキ近郊、マルミ飛行場に駐屯した第26戦闘機隊第2中隊に配備されたことを偲び、
首都防衛のためにこの機体も配備されたことを記念して引っ張り出された。
(いつもは中央航空博物館に倉庫保管されているらしい)




勇姿は今もそのままに。



7時方向から。 垂直安定板の撃墜マーク(2と1/2)に注意。
カモフラージュネットが外されている途中、
駐機場からスクランブル発進する直前の様子が演出されている。



垂直尾翼。 「黒の5番」。
この方向舵は本来のHC-452号機のものではなく、
1943年のオーバーホール時に、HC-455号機のもの
(RAF標準迷彩塗装のまま)が移植されたのだ。



垂直尾翼(方向舵)を右舷から。
元のHC-455号機のステンシル文字が残っている。
(元より10機しか無いフィンランドのハリケーンは、
維持するためのスペアパーツに苦労したと言われている。そりゃそうだろ!)



左舷水平尾翼。
(恐らく被弾した穴を塞いだ)補修痕に注意。



その下側。
オリジナル塗装だけに、汚れ方に感じる臨場感がハンパない。



スプリング緩衝方式の尾輪。
機体の大きさに比べて、怖いぐらい華奢な印象だ。



左舷側胴体の羽布部分。
胴体下部の「救急キットが入ってるよ」というハッチは、
継続戦争中のフィンランド空軍独自の改造。
(戦時中の写真を時系列で見ると、いつのまにか設置されている)



左舷側胴体のコクピット付近。 よく見ると側面に2発食らってる!
(自分の尻の下を銃弾が貫通していくというのは、どんな怖さだろう)
ホコリまみれの機体だからだろうか、
パネルラインが決して黒くない(!)ことが印象的。



そのままカメラ位置を下げて、主翼後端の動翼部分。



その左舷主翼下面。 奥に主脚が見える。



左舷主翼先端の衝突防止灯。
透明カバーやライト本体は失われているが、赤いはずである。



こちらは右舷主翼先端の衝突防止灯。
やはりカバーは失われているが、緑のライトがこのような形で装着されている。



左舷主翼前縁。 本機の主翼は全金属製。
フィンランドに送られたハリケーンのうち、少なくとも
HC-451/455/456/458?/462の4〜5機が羽布張り主翼(ファブリック・ウィング)のようだ。
(その内HC-456は'42年に(手元の写真では確認できないのだが)
捕獲したMk.IIの金属製主翼に換装されたという)



左舷主翼前縁の着陸灯部分のアップ。
ライトが装着されていないので、その奥の構造が見える。



こちらは右舷主翼の着陸灯。
ライトは本来このように装着されている。
(前に向かって)右に振られてセットされているのが正確?!
(正面を向いているものとばかり思っていたが)



左舷主翼前縁に戻って、機銃口。
ブローニング7.7mm機銃が4門並ぶ。
(模型でこの部分の赤を四角く塗装する時、あまり神経質になる必要はなさそうだ!)

つづく!


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