wrongな機内食
Wrong In-flight Meals

怒られる前に・・・最初にお断りしておくが
本項は、決して現在のフィンランド航空の機内食を罵倒する意図ではない。
(むしろ楽しんでいる!)
世界的にも、特にファースト・クラスのベスト機内食の一つに選ばれている実績がある。
(ワシはエコノミーにしか座ったことないけれど!)

ワタシが最初にフィン・エアの機内食を食べた1995年、
「こんな美味い料理があったのか!」と、正直に思った。
メニューが選べた上に、しかも「本日のお献立カード」も付いてきて、
(当時まだ学生の身分で)なんと贅沢で豪華なフライトをしているのだろう
と、素直に感じた。
しかしその後も渡芬を続けて幾数年経つと変化した・・・
メニューが「ちょっとwrongな方向」に行き出したのである。
以下、その「ちょっとwrongな部分」に限って
一部だが、時系列毎にちょっと見てもらおうと思う。

 例えば1996年冬、成田発。
 そばつゆと醤油の区別がちゃんと付くようになった(!)。
 蕎麦には、錦糸卵(のようなもの)が乗っており、きざみ海苔以外のバリエーションがあることがわかる。
 またこの頃には、すでに肉と魚を選ぶということは出来なくなっていたが、味は確かに美味かった。

 デザートのケーキは甘い甘いけれど、カロリーとか血圧とか気にしたことのない甘党のワタシにとっては、歓迎すべきものだった。
(最悪の経営状況だったと推察される年には、デザートが「キットカット」だったことがある。この時はさすがに驚いた。「(上空1万mだけど)降りてもいいですか?」と聞きそうになった(!))

  また例えば2004年春。
 客室乗務員らの相変わらず質の良いサービスにはたいへん満足ですが、経費削減のために、とっくに「本日のお献立カード」は無くなり、メニュー・チョイスも全く出来なくなった。
 さらには・・・たまたま偶然だろうと思いたいが・・・前年の渡芬時のメニューと変わりが無かった(!)。

 上の写真は成田発の夕食。 ライスがメインで、みんな大好き・・・カレー・ライス!・・・しかし如何せん、ライスはジャポニカ米ではなくインディカ米、カレーは「ルー」ではなく「ソース」みたいなもの。
 そして夕食も朝食もこのタイ米ライス(下の写真。ご飯の上にボイルした野菜、テリヤキソースをかけて日本人はよく食べま・・・せんよ!)。 ハッキリ言って・・・ヤになってきた。

 その後の数年間、渡芬の度に何度も左写真のようなメインディッシュが供された。
 このメニューが正式には何と呼称されているか、フィン・エアにおけるコード・ネームなど知る由もないが・・・見た目と味は・・・見よう見真似で作った「カツ丼」?「親子丼」?
「カツ丼」を見ながら「親子丼」を作ったら、「うな丼」が出来あがりました
 ・・・という奇跡的な状況がこんな感じだろうか??(シーリングには「fish」と記されており確かに、刻んだ鰻の蒲焼が入っていた。お世辞にも美味いと言おうとしたが…不味かったとしか言えない)

 コレが何度か続いたので、絶対の禁句「アエロ・フ○ートに乗り換えてやろうか」と真剣に考えたことがある(!)。

 不思議なのは、「インディカ米の薄いカレー・ソース」や「カツ丼か親子丼みたいな鰻丼」といった、これら「wrongな和食」の多くが、成田発の夜食だということだ。 この場合のケータリングは、日本で仕込んでいるハズではないのだろうか??(だったら日本人の弁当屋さん、「こりゃ・・・オカシイよ!」と気付くだろうに)
 それとも日本の弁当屋さんが、飽くまでも「フィンランド人の発注書」の通り忠実に作っているからこそ、こういう「wrongな和食」が出来あがったのだろうか??

 しかしその後、フィンランド航空が大手航空連合「one world」に加盟している関係か、さらにそのサービス内容を国際的水準で見直したようで、日本〜フィンランド間の機材も一新(MD-11からA-340に)、エコノミー・クラスの機内食も全面的に見直されたらしく、再び十数年前の「あぁ美味い。オレは今、贅沢してる!」と思わせてくれるようなものに変わった。(←誉めてますよ、ココ。大事)

 例えば2010年春。 ヘルシンキ発の帰国便にて夕食。
 しばらく忘れていた、客室乗務員の「beef or chicken?」などという台詞が聞けるようになり(!)、この時ワタシは「beef」を頼んだ。

 来た・・・シーリングを見ると、なんと「Beef Yakiniku」と書いてある!
 シベリア上空1万mで、焼き肉が食えるなんて! おお神様!
開けてみたら・・・
あ・・・っ!
 やっちゃった!

 間違いなくBEEFだし、味も悪くないんだ・・・。
 しかし・・・しかしヤパニライネンの考えるYAKINIKUとは・・・悪いけど・・・違う! まったく違う!
 世界一美味いフィンランドのマッシュ・ポテトにエンドウ豆。

 「焼き肉のタレ」ってなぁ・・・テリヤキ・ソースと違うんやで・・・。
 どんなモンか、今度送ったげよか・・・?


 日本人の社員、スタッフがいるんだから、誰か「(wrongな和食や日本語に)ツッコミを入れる係り」という人が居てもいいんじゃないかと思う時がある。
 サービスは上質、創業以来今まで墜落したこともない・・・戦時中の歴史を知る者にとっては、世界一頼れるパイロット:フィンランド人・・・機材も一新して、フィンランドまで快適なフライトを満喫できる・・・北欧の翼:フィン・エア。
 すべての座席にモニターが付き、美味い機内食に舌鼓を打ちながら、好きなプログラムを好きなように楽しめる。
 (妻は往復寝ずに「su-doku」をやり続け、ワタシは傑作映画:超大作「Tali-Ihantala 1944」を、往復で9回ぐらい観たことがある(~o~))
 「接続しなさい」!

 ・・・誰かツッコんだれや(--;)
2010.10.23(か)

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