フィンランドのキシリトールは今でこそ日本でも有名ですが、当地には「さるみあっきsalmiakki」という、たいへんメジャーな薬草があります。これを含んだ飴玉や、グミキャンディーや、酒に調合したものなどが、どこのキオスク(「kioski(きおすき=売店)」という)でも売っています。原料は、のどの薬としても使われる「甘草」らしいのですが、その味たるや、文字では表現できないぐらいに衝撃的です。どんな味か聞かれて、かさぱのすがいつも答えているのが「トナカイの口の臭い!」です。 因みにトナカイの主食はコケ(モデラーにはお馴染みの「キャンベル・ブッシュ」の正体)であり、「青汁をたらふく飲んだ」ような臭いがします。閑話休題。
その中でも「スパイスを利かせたピリカラのサルミアッキ」が「とぅるきん・ぴっぷりturkin pippuri(「トルコのコショウ」の意)」です。 ずいぶん昔になりますが、「探偵!ナイトスクープ」(朝日放送系)という関西のTV番組で「フィンランド製の世界一マズイ飴が食べたい!」という依頼が取り上げられ、それでその存在を知り、初渡芬時に初めて食べてみました(番組中では、試食した日本人のほぼ全員が吐き出していましたが、当のフィンランド人は大喜び)。 当時は袋入りしか目にしなかったのですが、その後渡芬するたびにバージョンアップ(?)が図られ、絵がちょっとづつ変わっていたり(いずれも「トルコ人が余りの辛さに、口から火を吹いている絵」。でも同どう見ても、違うモノを吐いているようにしか見えない)、「辛口」と「大辛(extra hot)」などがあったり、お土産用に大きな缶入りまで出現。 「罰ゲームに最適!」と嬉しがって買ってきた缶入りが下の写真。。。 |
大きな缶入り。。。ただしこれは商品名がスウェーデン語表記になっています。 フィンランド周辺諸国にも輸出されています(実際ヨーロッパの諸言語の表記が記載されている。エストニアでも販売されていた)。 一粒は親指の先ぐらいの大きさですが、味の衝撃を受けるにはその1粒で充分です!
撮影するために約2年ぶりにフタを開けましたが(!!)、アノ独特の臭いは健在!! タマラン臭いが部屋に漂っています。 吐きそうです。 実は「罰ゲーム用に」と買ってきてはみたものの、「あまりにも残酷な武器である」として、封印していたのです(!)。。 しかし日本のあちこちで色々な人に食べさせたところ(←ひどいヤツだ!)、50歳以上のおじさんでは「子どもの頃こんなん食べた事ある」と言いながら平気な顔をする人が何人かありました(が、決して「じゃ、もう1つ」とは言わない)。 しかし実際に芬人は大好物なようで、ワタシ(かさぱのす)の初渡芬時、どうガンバッても食べ切れない数袋(!)を捨てるのも忍びなく、おりしもやって来たホテルの掃除のおばちゃん達に差し上げ、「好きか?」と聞くと「大好き!!」と大喜びでした。 因みに原材料を見ると、まず最初に「砂糖」「野菜エキス」などと書いてあり、少なくとも、殺人的な味のワリには健康的なものしか入っていないようです(←それはそれで困った話だ)。 ところでこの記事を書くに当たって、yahoo.co.jpで「サルミアッキ」を検索したところ、15件もヒットした上、(中には「ワタシは平気」という人もあるものの)そのほとんどが「いかに悲惨な味だったか」を解説しているのには大笑いです。 ※因みにその他の評価は、最下段の通り。。。 さらに補足すると、口中を洗い流そうとして炭酸飲料を用いると、さらに不味いことになるらしい。。。 |
。。他メーカーの別バージョンも各種あるでよ。 こちらはその名もずばり、「サルミアッキ(しかも頭に、「SUPER」が付いてる!!)」という、グミ・キャンディーバージョン。 。。。歯にまとわりついてくるよ!! 因みにこちらのメーカー「Fazer(ファッツェル)」は、フィンランドでも歴史の長い大手菓子ブランド。 それはそれは美味しいチョコレートなども製造販売しているのです。。。(とても同一メーカーの商品だとは思えない!) |
。。同じ内容物ではあるが、こちらは「キシリトール配合!」が前面に押し出された、携帯に便利なサイズの箱に入った「やわらかキャンディー」バージョン! 商品名「Sisu(しす)」(実に読みにくい書体だ)。 こちらの方の味は先の二つと比べると、かなりマイルドです。 事実、ワタシ(かさぱのす)はコレなら食べられる(!)。 フィンランド旅行中は常にポケットに入れていました。 もっと言えば、食後の口臭やタバコの臭いも一粒で消え失せるので、「好き」と言ってもいいかも知れない(その代わり、別の臭いがそれにとって代わる!)。 |
。。。決して、「お゛え゛ーっ、ゴミ箱直行ーッ!!」という意味ではない。 (「食べ終わったら燃えるゴミとして捨てましょう」の表示です!) |
チャレンジャー | 表 現 | 結 果 |
現地フィンランド人男女(ただし実際に質疑応答したのは5名) | 「・・・大好きっ!!」・「家族の大好物です」・「ウォッカの肴にピッタリ」・「噛んだ後の『ジュワッ』と出て来るのがタマラン!」、などというインクレディブルな回答ばっかり | ◎(これらのコメントや商品展開の規模を見ても、間違いなく国民的人気商品ではある) |
現地フィンランド人女性(某デパート菓子売場勤務) | (2袋買おうとした我々に対し)「・・・これを買うのか!? 2つも買うのか!?」 (やはり貴方も好きなのかという問いに対し)「・・・Ei,Ei,Ei,Ei(大っ嫌い)!」 |
×(フィンランド人にも「アンチ・トゥルキンピップリ」が居たことを初めて知った、驚くべき一例) |
友人・親戚諸氏(京都在住) | 「・・・!?・・・飲、飲み込まれへんっ!!」(涙目で訴えかける代表例) | × |
叔父(京都在住) | 「・・・!?・・・昔こういうのを食べたことがある。戦後まもない頃!」(他の例でも、50歳以上の男性は「食べることが出来る」傾向にあることが判明) | △(決して喜んで食べたい味ではない) |
A氏(モデラー) | 「・・・!?これは・・・ハットウジの味じゃがな!」(「はっとうじ」とは氏の郷里で「カメムシ」を意味する単語!) | × |
B氏(モデラー) | 「・・・!?これは・・・口の中でカメムシが!!」(やはりカメムシ。カメムシがどういう味か不明だが、とにかく苦くて臭そうな表現だ) | × |
C氏(モデラー) | 「・・・!?・・・口と頭の中が『ウルトラQ』のタイトルバックになったような!」(よくわかるようなわからないような、秀逸な表現ではある) | × |
D氏(モデラー) | 「・・・!?これは・・・ガマン大会!?」(それ以上、言葉が出ず。もちろん罰ゲームをさせられたわけではない。ただ「飴を食べろ」と勧められただけである) | × |
E氏(モデラー) | 「・・・!?これは・・・犯罪!」(後日、「あの飴よりも不味い飴が存在するとしたら、それだけで犯罪だと思うね。オレは」とも) | × |
某G氏 | 「・・・!?これは・・・いや、悪くぁないね」(ということで袋ごと差し上げたが、しかしその後二度と食べなかった!) | (結果的に)× →その当時の現場の様子(苦悶するフェイクエアクラフトモデラーの図) |
某K◎氏 | 「・・・!?これは、 1)ドクターペッパーから甘みをだいぶ抜き 2)町外れのさびれた乾物屋から売れ残りの昆布を引き取ってきて1)で煮出し 3)塩とごくわずかの唐辛子で味を整え 4)ちょっとホコリをまぶした・・・ような。オレは大丈夫だよ」 |
(しかし直後に「大丈夫」の発言を撤回ため)× →その当時の現場の様子(「トルコ人もビックリ」の項) |
ベテラン飛行機モデラー/研究家諸氏 10数名 | うち2名のみが、「決して美味くはないが、食べられないことはない」(この2名は「こんにちはジュース」に対しても同様の反応(!)。興味深い事例) | △(統計学的に見れば、日本人のうち約1割弱が「食べることの出来る」人種なのか!?) |
その他モデラー諸氏 | 大概は、「(文字通り)苦虫を噛み潰したような」・「決して思い出してはいけない思い出を無理矢理思い出しているような」顔をするばかりで、言語による表現にならない | ×(大概は直後にゴミ箱を探して右往左往。礼儀正しくも、必死の形相で「もったいないけど吐いてもいいですか?」と言うが速いか吐き出す日本人が多い) |