よいこのリンナンマキ遊園地
Linnanmäki



 そこはフィンランド随一、最大のパラダイス: リンナンマキ遊園地!
 ぶっちゃけ正直なところ私達は、「さて、どんなトンデモないパラダイスか!?」と、そのトホホ度合を楽しんでやろうと思っていたのですが、なんのなんの、その本格的・充実した内容に心底驚きました(!)。ヘルシンキ市内のみならず、フィンランド全国各地から家族連れが大挙して、まるでディズニーランド並みの大賑わいです(以下2002年夏の記録)。

 ハンバーガーショップのトレーに敷かれていた、紙のランチョンマットが園内案内地図になっていたので(合理的だ!ゴミがひとつでも減る!)、紹介しておきたい(→遊戯施設一覧の拡大写真)。単語はもちろん、それがどんなモノを指すのか理解不能なモノが多いのですが(^^;)、かなり色んな施設が盛り沢山というワケです。

 ただし、これからヘルシンキに遊びに行こうと思っておられる方に、注意事項を先に書いておきます。

夏しか開いてないぞ、この遊園地!!

・のりものチケット:

 入場料(ヘルシンキ・カードやツーリスト・カードにはココの入園料が含まれていてお得。夏はね)を払っていざ遊園地内へ。乗り物チケットは別途、園内で購入します。

 普通、遊園地の乗り物チケットというのは、「(大人も子供も)〇枚つづり〇〇円」とか「1日フリーパス:おとな〇〇円/こども〇円」というシステムが定番ですよね。で、乗り物によって身長制限や年齢制限がある。
 ところがこの遊園地の場合、写真のように、
「しんちょう120cmいじょうのひと/いかのひと」
。。。という、非常に理にかなった分け方なのです!(この看板の下に身長計がある)
 これで必然的に「身長によっては危険」と判断される乗り物が制限できるわけで、「120cm以上なのに幼稚園」とか「20歳を過ぎたのに120cm以下」とかいうヤヤコシイ問題もクリアになるわけです。

・屋外ステージ!:

 と突然、大音響の軽妙な音楽とともに場内アナウンスが!!そう、「これからショーがはじまるよー!!」というワケです。会場整理のお兄さん達も出て来た!イスも並んだ!MCのお姉、いや、おっちゃん(え!?)の軽妙なトークも炸裂!!
 日本でならさしずめ「ヒーロー/キャラクターショー」を連想するのですが、ここではサーカスが見られました。(古式ゆかしい)玉乗りやらジャグリング、アクロバットのお兄さんやお姉さん、おっちゃん達が次から次へとオン・ステージ!!これぞ芸人魂!!(最近の日本のTVでよく使われる「(芸も能力もないくせに)芸人/タレント」という言葉とはワケが違う!)

 。。。が、雨が降ってきた。。。!!(でも人が集まってくる。よかった、よかったー!)

・ゲームセンター「SHANGHAI」!:

 遊園地内のゲーセン。日本の遊園地でのイメージでは、「巷のゲーセンからはすでに撤去されて久しい筐体に出会える場所」のイメージがあるのですが(!)、ここもやはり一味もニ味も違いました!!
 まず手前に見えているのは、「スマートボールを全手動式にしたようなヤツ(穴に入ったボールの得点に応じてス・テ・キな景品が!!)」。。。

 因みにその隣には、「天井からぶら下がったヒモを引っ張って景品を当てるヤツ」があるのでした。。。!!

 ここでは私達もトシを忘れてウハウハ。景品取るのについつい必死だ!
 「トラちゃんのぬいぐるみ」やら「おけしょうセット」などゲット!
 日本人もフィンランド人も、係りのお姉さんも大喜びだ!!(。。。)
 因みにそのゲットした景品の一部。。。
 右が「メイズ(密閉容器内で輪っかを穴にはめ込む、古式ゆかしいオモチャ)」
 左が「フェイシャル・タトゥーセット」。。。
(とほほほほ。こんなモノに必死になっていたのか。。。)

・セガ・ラリー!:

 ゲーセンはそれだけにあらず、UFOキャッチャーや最新式のゲーム筐体なども置いてあるのでした(。。。当然か)。
 写真は、
「セガ・ラリー」に興じるフィンランドのお子様
 数多くの名ラリー・ドライバーやF1パイロットを輩出しているのは言わずもがな、全国民をプロ・ドライバーと呼んでも過言ではない腕前のフィンランド人も、この日本製のゲームが大好き。横で見守るお父さんもヒヤヒヤ、「まだ〜ぁ?」と順番を待つお兄さんも真剣です!!

・カエル飛ばし!:

 昔なつかしい「カエル飛ばし(ゴムのカエルを台の上に載せ、ハンマーでぶったたいて池の向こうの台の上にジャンプさせる。うまく台の上に着地すれば、得点ゲット)」!!
 お子達のみならずこの遊園地では、ご覧のように
おっさんも大喜び!!
(このオッサン、なぜか一人だった。。。やはり一人でぽつねんとハンバーガー食ってるバァさんも居た。。。お子達と待ち合わせて別行動してるのか、それとも本当に一人で来てるのか??そういうの、結構平気みたいです。ここでは(^^))

・急流くだり!激流くだり!:


 。。。細々〜〜と地味〜〜なゲームにばっかり喜んでいたら大間違い。ついに大技を繰り出して来ました!!
 かなりの敷地面積を使った「ゴムボートで激流くだり(その名も「あらうんど・ざ・わーるど」!!)」があります。
 遊園地内を周回するようにコースが建設されており、山あり谷あり滝あり、スリル満点!!
 大人も子供も絶叫ぉー!!

・ジェットコースター!巨大観覧車!:

 ちゃんとあるんですよ!!言っておきますけど。。。(~~)

 ここの観覧車はヘルシンキ市内の遠くからでもよく見える、この遊園地のランドマークなのですが、これはスゴイです。コワイです!日本ではちょっと味わえない観覧車です。
回転速度が一定じゃないのだ!!
 しかも速度が変わる度にゴンドラが揺れてる。見てる方がヒヤヒヤする。とてもじゃないがゴンドラの中で愛を語らい、イチャついていられそうにない!!
 ジェットコースターともども、一度は乗ってみる価値はありそうです(私達は乗りませんでしたけど!)。
 因みにこのジェットコースター、ヘルシンキのみほこさんからの情報によると、ブレーキを操作する係員が同乗して運転してるんだそーです(。。。え゛ーっ!?)

 この他にも色んな施設が目白押し!私達の訪れた2002年、この夏一番の新施設:3Dバーチャルシアター「きょうりゅうの島!」には、これでもかの長蛇の列!!小さなおともだちから大きなおともだちまで、存分にお楽しみください。

 しかし私達、特に外国人としてはここで、この遊園地が設立された経緯を踏まえておきたいと思う。

 なんとこの遊園地はもともと、冬戦争/継続戦争/ラップランド戦争(大きく言えば第二次世界大戦)の後にフィンランド国内に大量に溢れ出た、可哀想な戦争孤児達を慰めるために設立された、夢と希望を与える遊園地だったのです。

 遊園地とフィンランドの子供たちの歴史をディスプレイした展示ホールも併設されています。親を失いながら恐怖の戦争を生き延びた、やもすると荒んだ心理に至るであろう孤児達の心を、夢と楽しさしか味わえないこの遊園地で、少しでも癒そうとしたその心意気を思うとき、私達は改めてこの国の数奇な歴史を想い、そしてフィンランドの大人達に敬意を表するものです。



「大物産展」に戻る