D.H.115.ヴァンパイアT.Mk.55(VT-8&-9)


D.H.113バンパイアNF.Mk.10夜間戦闘機のトレーニング・バージョンとして、1950年に初飛行した英国デ・ハヴィランド社製のジェット練習機(エンジンはゴブリン35型)。日本をも含む約20カ国で使用され(スイスでは1980年代まで飛んでいた!)戦後第一世代の傑作ジェット機。
 フィンランド空軍は、1953年に購入した6機のDH.100ヴァンパイアF.B.Mk.52(戦闘機型。単座。VA-1〜-6)により初めてジェット化され、ジェット戦闘機訓練を促進すべく、その後1955年と56年に9機のT.Mk.55(練習機T.Mk.11の輸出型。並列副座。VT-1〜-9)を購入しました。
しかし現役期間は比較的短く、最後の飛行は1965年7月15日のことでした(現在中央航空博物館に展示中のVT-8号機による)。

中央航空博物館に1機(VT-8)、ヴァンターの航空博物館に1機(VT-9)が展示されています。
また両博物館ともに、戦闘機型Mk.52(前者がVA-6、後者がVA-2を)も保管しています。
また、未訪問ですがヤラスヤルヴィJalasja"rviのコスクエKoskueという町には、VA-7号機が展示されているとのことです。

 また、バンパイアのキットと実機解説については、「KWATのほおむぺえじ」内「航空自衛隊機キットリスト」でも詳しく取り上げられています。



中央航空博物館のVT-8号機。



エアインテイク(右側)周辺。専用の赤いフタで封鎖してあります。




コクピット左側周辺下部。「射出座席注意!」「ナムフ!」(笑)などの表示はフィンランド語表記です。
また、「長年ほったらかしにされた銀塗装とは、こういうハガレ方(ひび割れ方)をするのね」という参考にもなります(!)




主脚周辺。




こちらはヴァンターの航空博物館に展示中のVT-9号機とVA-2号機の様子。
この機体に限らず、フィンランドのバンパイアは、すべて全面シルバードープの基本塗装です。




こちらはVA-2号機のコクピット周辺下部(戦闘機型Mk.52の写真は、今後の渡芬の際に撮影予定)。



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