ツーリンD型(F1&2/17&18)
フランスのモラン・ソルニエL「パラソル」を、
スウェーデンのEnoch Thulinエノッホ・ツーリン航空機会社が1915年から18年にかけてライセンス生産したもので
なににもまして、これが記念すべきフィンランド初の軍用飛行機です(これをもってこの国に「空軍」なるものが創設されたと言える)。
1918年3月6日(後に現在に至るまでの「フィンランド空軍創設記念日」となった)、
独立直後の内戦に際してスウェーデンから白衛軍の義勇兵として馳せ参じた
Eric von Rosenエリック・フォン・ローゼン(ルーセン)伯爵によって持ち込まれた高翼単葉・副座の偵察機です。
(ただしメインパイロットはスウェーデン空軍少尉N.Kindbergキンドベリであったらしい)
その翼には伯爵家に代々伝わる「幸運の青い鉤十字」が描かれ、
その後1945年まで、フィンランド軍機(車両も)の国籍表示として使用されるに至ったことは
(当サイト周辺では!)もはや周知の事実でしょう。
同年同月の16日、もう1機がやはりストックホルムのフィンランド支援組織(その名も「『Finlands Vännerフィンランドの友人』の会」!)
からもたらされ、
偵察や軽爆撃任務に使用されました。
しかし、いずれの機体も非常に短命で、その年のうちに墜落してしまいました
(1号機は一ヶ月後の4月16日、2号機に至っては就役した同月、3月28日!)。
ただし現在、中央航空博物館に展示中の機体(以下の写真)は、
残されていた2号機の胴体と、スウェーデンに残されていた図面を元に、忠実に再現されたレプリカです。
全景。
胴全長6.5m/全高3.1mの機体が天井からぶら下がっております(展示場に入ってすぐ直上!)。
機首部分。
エンジンはツーリンA(フランス:ル・ローヌ製9気筒空冷エンジンのコピー)で、90馬力/最高時速は115km/h。
機首部側面。
尾翼周辺。機体表面はベージュの総リネン張りです。
機首下面を見上げてみた。
お尻も見上げてみた。
両主翼(翼長11m/面積18u)に大きく描かれた、「幸運の青い鉤十字」!!
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