以下、【2004年9月19日に挙行した「ノンマルトと恐怖のルート87探検隊」の記録です。以後、田中信夫氏の声でお読みください】

魔境、伊豆半島!
 想像を絶する広大な「ゾーン」!!
  探検隊を次々と襲う驚異と絶句!!(前編)


 ・・・静岡県伊豆半島。 古来、日本人の温泉旅行や観光旅行、さらには新婚旅行のメッカとして知られる風光明媚なこの地に、恐るべき「ゾーン」が存在するという。 そもそもこの一帯には、古くから怪獣伝説や怪人伝説が多く伝わる。 我々日本人の多くは、幼少の頃からそれとは知らぬうちに、伊豆半島における幾多の伝説をTVで見て育った。 例えば「ウルトラマン」第20話『恐怖のルート87』、「ウルトラセブン」第42話『ノンマルトの使者』など、伊豆地方をロケ地としたドラマやエピソードには枚挙の暇がない。 特に、先に例を挙げた2つのエピソードの(トシを重ねるに連れて受け取ることのできる)強いメッセージ性は、幼き日の我々にとって言い知れぬあとあじの悪い印象を残した傑作となった。
 あれから十年。 あの頃、夢に描いた21世紀の未来社会とは程遠いこの現代社会において、我々探検隊は今こそ伝説の地をいま一度、自分の目で目撃し、足で踏破することを決断した! これまで様々な危機に直面しながらもミッションを成し果たして来たベテラン隊員たち。 マクタロウ隊員・マクノスケ隊員・なかがわ隊員・せいもく隊員・ちぱ隊員そしてかさぱのす隊長の、6名の探検隊。 自慢ではないが、今回の探検隊の中で、初代ウルトラマンや仮面ライダー1号2号の本放送を知らないのは、かさぱのす隊長だけだ! しかし彼も幼少の頃から再放送文化のたたき上げであり、今も「あの頃」を忘れてはいない。 他の隊員達もまた、そうだ。 30をとうに過ぎた彼らには、「戦闘機をぶら下げているワイヤー」「怪人の背中のチャック」など、目には入っても無視することが出来る
 そこで今回の探検の目的は、シャボテン公園に現存する(ショッカー・アジトの跡地でもある)「ヒドラの像」、そして『ノンマルトの使者』のロケ地ともなった「入田浜」に絞って探索することにした。 そして現地の交通事情を熟慮した結果、出発点であるJR三島駅からは現地のジープを手配、シャボテン公園に向かった後に入田浜へ向かうことにした!

【以下の写真コマは、「左群→右群」の順に下に向かってお進みください】


ただならぬ「ロウニンギョウカン」に絶句した我々探検隊。
いよいよ「伊豆シャボテン公園」へと向かう!
曲がりくねった山道はさながら、
我々を禁断の地へといざなう大蛇の如しである。
車内には科特隊やショッカーのマーチが響き渡る中、
信じられない言葉の標識が現れた!
かつてこんな警告を受けたことなどない我々は、思わず戦慄した!
「クジャクとびだし注意」
「リスザルとびだし注意」

熱くハンドルを握るマクタロウ隊員の手から、冷たい汗が滴り落ちる!
ここから先、ジープを降りた我々探検隊はまず
現地の検問で入念な入管手続きを行う。
大人ひとりにつき、日本円で約1800円が必要だ。
現地の経済状況を考えれば、
それは決して高いとは言えないだろう。
開園以来3634万人
という訪問者の数を、我々は
多いと考えるべきか少ないと考えるべきだろうか。
地図を開いてみると、まずその広大な敷地面積に驚かされる。
我々は早速、「高原竜」−つまり「ヒドラの像」を目指すことにした。



とその時、
我々の目の前を、何かが横切った!!
虹色に輝く、その得もいわれぬ美しい羽根!
「あっ、クジャクだっ!」
なんとここでは本当に、クジャクが飛び出して来る!
謎の生命体と我々探検隊の突然の出現の前に、
道路の向こうを歩いていた原住民も、慌てて逃げる。
我々は、この生物に導かれるように先を進む
−のかと思ったがクジャクは、
我々のことなどまるで意に介す様子もなく悠然と歩み去った。
「せっかくなんだから広げなさいよ、その羽根!」
と声を荒げるちぱ隊員。この隊員は最近、文句が多い。
ゲートをくぐった我々の前に、衝撃の光景が広がっていた!
「あ、あれはっ!?」
大室山をバックに鎮座するヒドラの像とピラミッド群!
まさしく、「ウルトラマン」第20話冒頭そのままの光景が、
いままさに、我々の目の前に広がっていたのだ!
目指す「高原竜の像」は近い!
しかしその時、
隊員達が誰ともなく口を開いた!
「お腹減りません!?」
−そう、現地時刻はすでに正午を過ぎ、
午後1時になるところだったのだ。



ほどなくして我々は、食堂街にたどり着いた。
「わくわく大食堂」と読めるそのどうしようもない名称はとりもなおさず、
世界各国の料理を供する食堂が軒を連ねている様子である。
そこで我々は「サボテン・カレー」なる奇っ怪なメニューに注目、
それを供するという食堂に入った。
空いている座席に腰掛け辺りを見渡した次の瞬間、
隊員達は気付いた! 店内の印象はまるで、時間が
1970年代で停止したままだ!
開園以来変わらぬ、典型的な70年代様式の大型建築。
内装や食器のデザイン、観光バスの中高年男女の盛り上がりっぷり。
まるで世の中が「万博ブーム」の最中であるかのような錯覚に陥る!
ある意味においては、これは貴重な文化遺産であると、言えよう!
いよいよ我々の食事の注文である。
メニューにはあらゆる国の料理が取り揃えられる中、
我々は全員一致で、謎の「サボテン・カレー」なるものを注文、
そしてずいぶんと待たされた挙句、それは遂に現れた!
これこそが、
「サボテン・カレー」だ!

圧倒される隊員たち!
なんの変哲もないカレーライスの上に、
これでもかばかりに怪しく散りばめられた青い物体が、ある!
隊長とせいもく隊員はハンバーグをトッピング、
なかがわ隊員はカツ・カレーにしている!



やがてそれを口にした隊員達が、口々に呟いた!
「すっぱい!」
「あぁー酸っぱ!」

カレーが酸っぱいとは、いったい全体どういうことなのか!?
原住民はいったい、どんなワナを仕掛けたというのか!?
カレーの味が決して悪いわけではないことだけは確かだ。
どうやらその原因は、酢漬けにしたサボテンにあるらしい。
この、いわば「サボテンのピクルス」の余りの刺激のために、
「またどうしてもサボテンを食べたいか?」と尋ねられれば
その返事に窮してしまう、なんとも絶妙な味だ!
現地では来客を歓迎する証の
友好的なサービスだったのかも知れないが、
結果として我々にサボテンのピクルスは、多すぎた!
他の隊員達も、どうにかこうにかこのピンチを乗りきった。
カレーライスを食べただけなのに、
どうしてこんなに疲れなければいけないのか?
まるでこのまま、体がサボテンになってしまうかのような悪寒。
そんなことは思い過ごしでよければ良いのだが
−と、「仮面ライダー」第96話を見過ぎた隊長は思った。
そして軽くはない足取りで店を後にした我々が、
隣の店の前を通り過ぎようとした次の瞬間、
「シャボテン入りうどん・そば始めました」
始められても困る! ところがさらに隣の店には、
「シャボテン・ラーメン」!
どこもかしこもサボテン、いや、シャボテンだらけであることに、
背筋が凍りつく!!



昼食を取った我々は、段差の少ない舗装された密林の中を進む。
しかし体がいつサボテンになってしまってもおかしくは、ない。
あろうことかマクノスケ隊員の脚はすでに、
サボテンになっていた!
こんなこともあろうかと、施設内では
車椅子が無料で貸し出されている。
人と自然に優しい。
原住民のそんな計らいに感謝しつつも、
亡者ショッカーの「人類総サボテン化計画」の影に、
隊員達の背筋は凍る。
いまこの瞬間にもなにが起ころうと不思議では、ない!
その矢先、ジャングルの猿たちが活発に吠える。
猿たちは何かから逃げるように去っていった。
密林を掻き分けて進む我々探検隊の目の前が、
次の瞬間、突如として黒い巨大な陰に遮られた!
愕然とする探検隊! 遂に、
ヤツがその姿を現わした!
これが伝説の高原竜:ヒドラだ!!
「ヒドラが来るよ。大変なことになるよ!」
探検隊、最大の危機!
しかし我々探検隊は常に、万全の準備を整えている。
隊長をはじめ隊員達は各自
なにやらそぞろに、防衛体制を準備し始めた!



巨大な爪が、
隊員たちを襲う!!

マクタロウ隊員とマクノスケ隊員が呼んで来たのは
ウルトラ警備隊だ!
科学特捜隊ではないことを気にしつつも、
必死でシャッターを切る!
この二人は、ことある度に
こうしたシャッターチャンスを、
決して逃すことはない!
なかがわ隊員とせいもく隊員は、
科特隊専用銃「なりきりスーパーガン」を抜く!
「今だっ!」
周囲に人通りがなくなったころあいを見計らって、
隊長の命令が飛ぶ!
「撃てーぇ!」
周囲の冷たい視線に必死に耐えつつ、
引き金を引く!
手にしたガンが、ビュビュンとうなる!



からくもヒドラの猛襲を撃退した我々は、
「像」の入口へと向かう。
ヒドラの像は、「シャボテン温室」という名称の看板で
カモフラージュされている。
事実、「高原竜ヒドラの像」はかつて
ショッカーの怪人サボテグロンのアジトでもあった。
ゴルゴムの地下要塞などでもその姿が確認できる。
ヒドラ撃退直後にケムラーはこの周辺で暴れた。
ダーク破壊部隊のオレンジアントとキカイダーはここで戦い、
黒十字軍の蛇口仮面を追ってゴレンジャーもここへ来た。
気を引き締める思いで潜入する隊員たち!
トンネル内には人の気配がない。
「今なら出来そうです!」
なかがわ隊員が、なんのことだかさっぱりわからない
そんなことを口走った次の瞬間、
「イーーーッ!!」
我々を出迎えたのは、ショッカー戦闘員!
まったく無視して奥地へ進む、ちぱ隊員!
「そりゃないだろぉ!」
隊長も悲しげだ。
戦闘員を軽くイナした我々はついに拓けた空間へ出た。



そこは様々な種類の、身の丈以上もある
サボテンのジャングルだった!
これがサボテンなのかと我が目を疑う進化形態を遂げたものも、ある。
さらに驚くべきは、これらの植物の奇っ怪な名称である。
例えば、
「恐怖閣」!
これから我々の身に起こる何かを暗示しているのか!?
あらためて自らの精神を研ぎ澄ませる隊員たち!
通路は迷路の如く続いていた。
そして我々が行き付いた先は、
第2温室「アフリカ館」。
さらに「南アメリカ館」「メキシコ館」へと続く。
いずれも幾種のシャボテンが生育する大陸である。
最後の関門「メキシコ館」を無事に脱することはできるか!?
ショッカー・メキシコ支部の暗躍を忘れてはいけない!
そして館内へ足を踏み入れた我々探検隊に、
次々と信じられない事態が、起こるっ!!


それは次回、「後編」で明らかとなる!!


「伊豆シャボテン公園」公式サイト・・・http://www.shaboten.co.jp/

 写真は筆者(かさぱのす隊長)撮影のもの以外に、せいもく・なかがわ両隊員撮影のものを使用させていただいた。臨場感を読み取っていただけるだろうか? しかしその驚愕すべき現実は、現地に行った者にしか理解してもらえないと思う。。。(シャボテン公園は本当に、ご家族で安心して楽しめる場所ですよ!)(か)


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