ハンッシン・ユッカ号格納庫(トゥーロネン・ショッピングセンター内)
Hanssin-Jukka hangaari , Kauppakeskus Tuulonen



 長らくティッカコスキ(中央航空博物館)の空軍施設内で非公開のまま保存されていたハンッシン・ユッカ号が、2015年にレストアが完了して公開されることになりました。 場所はハメーンリンナ郊外のショッピングセンター内(わざわざそのための格納庫が増改築された)。 これがどんな歴史的な機体なのかは、(フィン空ファンのバイブル)中山雅洋氏の「北欧空戦記」を読んだ方ならご存知のことでしょう。

 ハメーンリンナのバスターミナル=autoasema(奇しくもかつて、1960年代にハンッシン・ユッカ号がカフェとして鎮座していた、まさにその場所!)から、「ラハティLahti行き」または「ランミLammi行き」のバスに乗って、トゥーロスTuulosという町の「トゥーロネン・ショッピングセンター(Kauppakeskus Tuulonen)」を目指します。 時間帯によって、いかにもローカル線の小さいコミュニティバスみたいなバスの場合があります(「大丈夫かいな」と思うぐらいボロボロのVWトランジット改造バスが来て驚いたことがある!)。
 運転手さんには目的地を「かうっぱけすくす・とぅーろねんKauppakeskus Tuulonen」と告げると良いでしょう(地図上では「ポホヨイステンスオPohjoistensuo」というバス停がショッピングセンターに近いのですが、後述するように現実的には「ポホヨイネンPohjoinen」が最寄となる・・・運転手さんは実際、後者で降ろしてくれました)。 バスの乗車時間はちょうど30分ほど・・・市街地を外れて、どんどんフィンランドの田園風景の中を走って行きます(!)。

 さて自家用車ならそのまま進入できる道があるものの、路線バスは野中の一軒屋的な(実際、野中の一軒家だ!)ショッピングセンターを通り過ぎてしまいますが、それでよいのです。 なぜならショッピングセンターは畑と丘に囲まれているので、目の前で降りたところで道がありません(!)。 多少大回りですが、住宅地(といっても農家が2-3軒!)を抜けてショッピングセンターに向かう道があります。

 保存と展示のための単なる「格納庫」だけなので、特別に売店や受付などありませんが、ボランティアスタッフの方が小さなテーブルで、ハンッシン・ユッカの描かれたバッジやバックル、キャップやランチョンマット(!)などの記念品を(そこそこのお値段で・・・)販売しています。 ここまでのレストアの努力への感謝や、今後の保存資金のためにも、フィン空ファンとしては、ついつい「お布施」をしてしまいます。

 2015年現在、入館料は無料(!)ですが、保存会に「お気持ちだけ」協力する「募金箱」が設置されています。

開館時間:
 ショッピングセンター自体は年中無休ですが、「格納庫」は冬期は開放されないようです。また夏の期間も基本的に、ボランティアさんの都合で開放時間は変則的(概ね夕方まで、あるいは開場できない日もある)なので、訪問の際はこまめにHPやfacebookを事前に要チェック。
 ショッピングセンターの営業時間のみ→06:00〜24:00(ガラス越しに機体は見られるとは思います)

ハンッシンユッカ保存会公式HP
http://www.hanssinjukka.fi/(冬の閉鎖期間でも、「バーチャル・ハンシンユッカ」の画面操作が出来るようになった(^^))
トゥーロネン・ショッピングセンター公式HP
http://www.tuulonen.fi/(ハンッシン・ユッカについての解説頁もある)


収蔵展示物「DO-1」号機(実機写真集へ)


 またしてもこんな田舎の道端に放り出される!(以下、2015年秋の撮影)
 ショッピングセンターの前にもバス停はあるのだが、あえて1つ先のバス停で降りる。
 畑に阻まれて、店に行く道がないのだ!
 「HANSSIN-JUKKA HANGAARI」と書いてある・・・あのハンガー(格納庫)の中か・・・。
 ショッピングセンターに入ると、(なぜかいきなり)Tレックスの骨格標本が出迎えてくれる。
 いかにも、なショッピングセンター(横に長い!)。 衣食住、子供の遊び場に宿泊施設、サウナや新古本の店(←意外な掘り出しモノがあったり)、一応なんでも揃ってる。 日本の「道の駅」的な立ち位置、とでも言おうか。
 ショッピングセンターのほぼ中間地点・・・ガラス張りの向こうに・・・あ!!!!
 もぉ、ここまで来ると、あまりに感動して、言葉にならない。
 機体の解説。 例によって「ハカリスティはハーケンクロイツとちゃいまっせー」という説明。
 タラップが据えられているので、機体内部を垣間見ることも可能。
 乗り込むことはできないが、もう、感無量!
 ショッピングセンターの壁には、くどいようだが「ハカリスティはハーケンクロイツとちゃいまっせー」の説明と、レストアに協力した団体や企業などを明記。
 もし格納庫が閉鎖されていたとしてもガラス越しに実機を見ることは出来る上に、ドアの外には、コクピット内を見ることが出来る大型のタッチパネルモニターが設置されている。
 募金箱というか「お賽銭箱」が・・・100mm戦車砲弾の空薬莢(!)。
 ハメーンリンナで常宿にしているホテルSOKOS VAAKUNAのロビーに、ハンッシン・ユッカ号の写真パネルが飾ってあった。 地元の誇り。


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