《以下は2015年以前(初訪問は1996年)の記事内容です!最新版は別途ご覧ください》


戦争博物館(ヘルシンキ市内)
Sotamuseo , Helsinki



 ヘルシンキの街中にあって、しかも(臨時休館を除いて)基本的に年中開いているのは便利です。 所在地で言うと「Maurinkatu 1」。 ヘルシンキ市内中心部外苑の東側に位置しており(カイサニエミとハカニエミの間)、ヘルシンキ中央駅から歩いても20分程度(地図を見るとタクシーを使うほどの距離ではありません)。 市電(トラムの番号は2015年現在「3/6&6T/9番」)を使って最寄の電停「Varsapuistikko」まで行くのが便利ですが、降りた後が小さな路地が多い地区の為に、ちょっとややこしいかも(我々も行く度に、道を間違えて遠回りしてしまうことがしばしば)。 しかしこの界隈には骨董品店や古本屋も多いので(昔よくお邪魔していた物凄いマニアックな古書店は数年前になくなってしまったけれど)、レンガ造りを基調としたヨーロッパの町並みを散策するのもいいでしょう。

 フィンランド独立以前から現在に至るまでの戦史資料・展示があるのですが、重点を置いているのはやはり第二次大戦期です。
 博物館は「本館(常設展示)」と「別館(特別展示など)」に分かれており、「別館」では例えば2002年の訪問時には「継続戦争」、2004年には「終戦直後の市民生活」、2015年には「冬戦争のハンガリー義勇兵」などといったテーマ毎の展示がありました。 ただしこの「テーマ」が変わるときに訪問がぶつかると困ったことになることがあります。 なぜなら「テーマが変わって新しい展示になった記念」として、地元政財界・退役軍人会などの立食パーティーで博物館が終日貸切・部外者立入禁止になったりすることがあるので注意です(実際、ぶつかったことがある。次の日に訪問を仕切りなおした。また、「新館」「別館」いずれかが閉じられていることもママある)。

 フィンランド陸・海・空防衛の歴史の全貌がこの博物館で垣間見ることが出来ます(「垣間見る」と言ってもずいぶんコアで資料性が高い高い)。 陸軍が使っていた各種火砲やIII号突撃砲G型(←駐車場に停めてある!)、空軍関連の(今は実機そのものの展示はありませんが)各種空戦資料や展示、海軍が使っていた各種火砲や艦船の模型展示などを見ることが出来ます。

 なおここにはミュージアムショップなんて洒落たものはありませんが、入口の受付カウンターでは(本館・別館、どちらから入ってもよい。ただし一方から移って一方へ入るときは入場券を見せるのを忘れずに)、この博物館でしか入手不可能であろう資料・書籍やCD(「冬戦争ドキュメントCD-ROM」とか!)を買うことができます。
 入館料大人1人5ユーロ(2015年春現在。11年前は3.5エウロだったが、それでも今なお安い!)。

開館時間:
(月曜休館になった。基本的に元旦以外は年中無休。だがしかし、曜日によって閉館時間が違う!)
火曜日〜木曜日→11:00〜17:00
金曜日〜日曜日→11:00〜16:00

戦争博物館公式HP(国防軍HP内、国防大学の案内)
http://www.puolustusvoimat.fi/portal/puolustusvoimat.fi/・・・


主な収蔵展示物(実車写真集へ)


 駐車場に入るとIII号突撃砲が! コイツは駐車位置を守っていないので、お車での来場の際はご注意ください!(~~)
 このシュトルミの向こうに見えているのが「本館」、後側が「別館」。

 昔はIII突の機関室の上で誰かがフィルム交換していたり(!)、近所の子供達がワイワイ上って遊んでいたりしたが、現在は博物館入り口に「屋外の戦車に登るのは止めておいた方が良い。歴史を忘るるべからず」という内容の貼り紙がある。(2002年春の撮影)
 別館の裏口(というか、別にどちらから入っても良い←最近は「正面玄関からお入り下さい」の張り紙が出ている)。
 5門の砲列がズラリ。(2002年春の撮影)
 別館に再現してある防空壕(シェルター)。 中に入ろうとするとセンサーが感知、空襲警報のサイレンと共にソ連爆撃隊の低い重厚な爆音が鳴り響く。 中に腰掛けたころには、降ってきた爆弾とその炸裂する極めて激しい音がドカンドカンズシンズシーンッ!! 地響きをさせながら響き渡る。 そりゃ恐ろしいもんです。
 小さなお子さんには恐らく「恐怖のトラウマ」になるので注意してください!(2004年春の撮影)
 「フィンランド」なんてものがまだ無かったころの戦争についても展示はある。(2001年夏の撮影)
 独立期から現代に至るフィンランド軍軍服の数々。 必見。(2001年夏の撮影)
 前線の塹壕も再現。 実際に中に入って体感することが出来る。(2004年春の撮影)
 「37mm対戦車砲」といえば、こういう格好も取ることが出来る(MM少年のお約束)。(1996年冬の撮影)
 レベルの非常に高い、素晴らしい模型展示の数々。(2004年春の撮影)
 珍しい、フィンランド艦隊の模型展示もある。(2004年春の撮影)
 我が家では勝手に「塹壕カフェ」と呼んでいるのだが、「SOTILASKOTI(=兵士の家。主に現役兵士の家族のボランティア活動による非軍事組織。いわば「積極的な銃後の守り」で、兵隊さんの安らぎの場所)」が運営している館内のカフェ。 珈琲が安くて美味い。ムンッキ(一種の甘い揚げドーナツ)も美味い!

 戦時中からこの活動をしているおばあちゃんの、くったくのないお話が聞けたりする(BGMに流されているフィンランド戦時歌謡を歌い出したりして、実にいい雰囲気)。(2010年春の撮影)
 メガフォース!!(違う)
 新型車両の展示イベントに出くわしたりするから、何回行っても飽きない。(2008年の撮影)
 最近になって駐車場にT-26軽戦車まで「駐車」するようになった。(2015年秋の撮影)


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