消防博物館(ヘルシンキ市内)
Helsingin pelastuslaitoksen palomuseo



 1891年建造の、42mの高さからヘルシンキの街を見守るヘルシンキ市消防署、レスキュー隊基地。 所在地で言うと「Korkeavuorenkatu 26」。 ヘルシンキ市内中心部、南エスプラナーディ通りEteläesplanadiとコルケアヴオレン通りKorkeavuolenkatuの交差点(かどに長い間、家具&インテリアで有名なArtekの店舗があったのでわかりやすかったのだが・・・)から、2ブロックほど入ったところに消防署はあり、その施設内に博物館があります。 文字通り繁華街から一歩入っただけなのですが、歴史的景観を保った路地裏感があって風情があるので、ぶらぶら歩いてみるのもいいでしょう。

 とはいえ、ヘルシンキ市内で火災や救助要請がひとたび発生するや否や、この消防署から緊急車両が出動してくるので、入り口でボーーーっとしてると危険です(!?)。

 歴代の消防車両や装備、写真パネルや映像などで、フィンランド、特にヘルシンキ市内の消防・安全に関する歴史の全貌がこの博物館で垣間見ることが出来ます(「垣間見る」と言ってもずいぶんコアで資料性が高い高い)。 防災やレスキュー活動に関する市民の意識向上の一助を担っている施設でもあるのです。

 なおここにはミュージアムショップなんて洒落たものはありませんが、入口の受付カウンター(消防署のおじさんが、どうやら交代で当番してる!)では、この博物館でしか入手不可能であろう、「フィンランドの消防/レスキュー車両」に特化した(すげーニッチな!)資料・書籍などを買うことができます。
 入館料大人1人2ユーロ(2018年現在。安い!安過ぎる!しかも15歳以下は無料!)。

開館時間:
9月から5月までの、しかも水曜日と日曜日しか開いてませんので、要注意!(ただし2018年現在。2015年は「金曜と日曜だけ」だった。団体客は要交渉)
12:00〜16:00
(つまり6月〜8月までは「夏休み」で閉館(消防署なのに!?)ですが、基本的に消防署なので当然、番張りしてれば消防車の緊急出動などは見られる!←イヤイヤ、それって市内のどっかが火事だってことで・・・)

消防博物館公式HP
ヘルシンキ市の紹介ページ(英語などによる、公式の告知pdfファイルにリンクあり)


主な収蔵展示物(実車写真集へ)《編集中》


 19世紀末から現在まで、ヘルシンキの街を見守るウォッチタワー。

 フィンランドの有名な建築家(だが日本語表記は難しい)テオドル・ホェイェルTheodor Höijer(ホテル・カンプHotelli Kämpとか、アテネウム美術館とかもこの人の設計)の手による、現役の消防署とは思えない古い建物だが、歴史と伝統、気品と風格といったものを一瞬に感じさせる迫力がある。(以下、2015年春の撮影)
 消防署内にある、博物館の入り口。ぜんぜん派手じゃないので、少々わかりにくい(?)。
 消防署施設内の案内板。
 「C」で示された、本庁向かって右側が博物館。
 2015年には火曜日と日曜日だけの開館だったが、2018年には水曜日と日曜日の開館となっている。訪れる際は、旅の日程を事前に計画しておくに越したことは無い。
 コヴェントリーのモーター・ポンプ。 1940年代の装備・・・ということは、ヘルシンキが空襲を受けた際にもがんばっただろう。
 歴代の消防車両が数台展示されている(充分みっちみちに詰められている)。
 博物館のすぐ脇が、現役の消防&レスキュー車両の格納庫・・・であるが故に緊急出動することがあるので、「ぅわーシスのしょうぼうしゃだー。かっけぇ〜」とか言いながらブラブラほっつき歩いてると怒られる(だろう!)。
 ・・・とその時! アラーム音と共に、クラシカルで大きな木製のドアが電動で観音開きして、作業工作車や指揮車が任務を終えて無事に帰ってきた。
 救急車もご苦労さんでした!
 1950年代の消防隊員。個人的にワタシが一番興味をそそられる時期の装備である。
 終戦直後のこの頃はドイツでも全身黒づくめで、機材も「WW2の残り物」の車両だったりする。このヘルシンキ消防隊員のヘルメットもドイツ軍のM35タイプだが、「ヒトラーおじさんの親衛隊」とは違い、「人類の敵=火災」と戦う戦士の姿なので、純粋にカッコイイ。
 キミのその「かぶりもの」は、なんとかした方が良いと思う。


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