M2ハーフトラック改造砲兵トラクター

第二次大戦後、米国より購入。砲兵部隊により、砲の牽引および要員の輸送用車両として使用されたようです。国土の地形に合わせ、軽量化を図るべく装甲板はすべて除去されています。しかし、フィンランドの厳しい寒さの中での使用には限界があったようで、1950年には装備から外されてしまったとのことです。



出ました!この凶悪なツラ構え!本車をここまで紹介するのは、当HPが初めてではないでしょうか。
その昔小学5年ぐらいの頃、「プラモ戦車大作戦」(←痛いな、この題名)に、そのまた昔のタミヤニュース「これだけは作ろう」からの転載があり、その存在は古くから知っていたのですが、まさか現存しているとは驚きでした!てっきりM3ハーフ改造だと思っていたのですが、展示パネルの解説にはM2とありました。




車体前部。車体上部構造物は、そのほとんどが新造されています。前面装甲はなく、適当な骨組みに、等間隔に7本の鉄線を溶接してグリルガードになっています。
M2ハーフトラックがいつアメリカからフィンランドに供与されたのかハッキリしませんが、少なくとも戦後間もない頃の話です。
ところでナンバープレートの「SA」は「フィンランド陸軍」の略で、軍のトラックや乗用車の類には、この2文字のナンバープレートが戦時中から現在に至るまで付いています。




車体前部右側、ボンネットサイド。エンジン放熱用の4つのスリットがありますが、これが4つの四角形になっている車両も写真で確認できます。どマイナーな車両ですが奥が深そうですな。




車体前部左側。放熱用のスリットは「5本」とも考えられます。最後尾のスリットにあたる部分が(両サイドともに)三角形に欠けていますが、これが部品の欠損なのか、「ここまで開けないと放熱できない」のか(このハーフトラックでそんなことはないだろう。しかも寒い国で)、残念ながら不明です←ここにも答えてくれそうなスタッフがいませんから!そもそも客も含めて人がいない!




ボンネット上面。構造はオリジナルと同様ですが(両サイドからパコーンと跳ね上げる)、ここも新造されています。
あ、誰かこっちみてる。逃げろ!




操縦席から荷台にかけて。(写真に写っていない)ダッシュボード周りや、シートもオリジナルのままです。荷台は全木製です。




荷台を左後方から見上げて。シャシーに新造の荷台を「載せただけ」。最後部の誘導輪(この車両の場合全部誘導輪だが)が歪んで見えますが、写真のせいではなく、実際に歪んでいます。酷使するとそうなるんでしょうね。




車体後部(荷台後面)。




荷台の内側(操縦席からの眺め)。味も素っ気もありません。愛想もクソもありません。どこを見てもスクラッチが楽そうです。さぁ作れ!




「捨てられている」のではありません。「展示」してあります(笑)。よく見ると運転手さんも乗っています!
冗談はさておき、こんな状態では、しまいにフィンランド人にゴミと間違われて捨ててしまわれないか心配です。




現役時代の写真の複写。ディテールなどわかりませんが、ボンネットサイドに四角い穴が6つ開いています。あぁ深いなぁ!


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