水陸両用車 NE-3500

な・・・なんちゅう姿・・・!
1976年に開発されたという、フィンランド軍特製の水陸両用車。
水陸両用どころか空へも飛んで行きそうな風体のスーパーマシン!
写真は2004年、自動車・交通博物館MOBILIAに展示されていたもの。

その生産数などは不明ですが、実際に部隊に配備されていたようです
(いっちょまえに「NE-3500」なんて名称がある)。

学芸員のお姉さん(←めちゃカワイイ!)の弁によると、
水上はもちろん、シャーベットみたいな氷上を走るのにも最適だったんですぅ
・・・らしい。
いや確かに湖沼ばかりの彼国の国土を考えれば、まったく実用的な乗り物と言えよう。
古来から部隊にはボートが欠かせない装備だったのであり、大量配備してもおかしくない車両だ。
見た目のワリには高価格だったのだと思う。たぶん)


この時の展示の中で最も異形の自動車であり、博物館としてもイチオシの展示物でした(^^)
(MOBILIAの展示物は、毎年入れ替わるようなので注意)


バットマーン!
かつて「月刊コンバット・マガジン1996年3月号」に1枚だけこのマシンの写真が、
斎木氏によるフィン海軍沿岸砲兵に関する(奇特な!)カラー写真レポとともに載っていたので
こういう車輛(というか「vehicle」という単語でしか呼びようがない)を
フィンランド軍が持っていたことは知っていましたが、
よもやまさか、こんなトコロで実際にそれを目にしようとは・・・。

車体前部右舷。
解説のプレートには、「1976年(の作品「AMPHIBIAN」)」とある。
配備状況など具体的なことは不明ですが
(国防軍の公式サイトでも紹介されていない。「秘密兵器」だったのか!?)、
95〜6年の沿岸砲兵部隊で使用されていたということは、
ひょっとして今も現役なのかも知れません(※)。

※もっとも、これがワン・メイドの特殊車両なのか、
 展示車両と「コンバット・マガジン」に載っていた車両
 (その写真の車両では車体に「460」の文字が無い)
 とが同じ個体なのかどうかも、不明。


後部のエンジン周辺。
要は、「現代のプロペラ・ソリ」である。
どこのどんなエンジンだか知らないが、解説プレートによると
「8気筒の排気量3500立方cm(←デカイな。航空機用エンジンか?)」らしい。


後姿。
「鳥人間コンテスト」にでも出してみたいカタチである(!)。


車体上部構造物(左舷側)。
キャビンはどう見ても、乗用車(廃車)から流用してきたようにしか見えない!
(前述「コンバット・マガジン」の写真では、このキャビン上部が前に倒れて大きく開くことがわかる)


(なんとも貧弱な!)前輪。
ステアリング機構が、「夏休みの楽しい工作」のようで素晴らしい!(か?)


後輪。
水上走行時には引き上げられるのですが、
なんとも、見た目には頼りなさ気な構造(~~;)
(前述「コンバット・マガジン」の写真では、四輪にさらに「ソリ」が装着されている)

車体上部(フード)前部。
「460」というナンバーは、左右の尾翼にも描かれています。
メーカーのエンブレムも付いていますが、
見たこともないエンブレムなのでちょっと不明。
(ボートのメーカーか、或いはこのテの特殊車両ばっかり作ってるメーカーなのかも)


プレスされた波板が、後部から前部にかけての底部に
「イッキに巻いてある」のだということがよくわかる。


後姿の時雨れてゆくか。
さぁ誰か、模型化しないか!?

「実車写真集」に戻る