夢中暦200307.13
【2003年7月13日に挙行した「市川探検隊」の作戦第1号の記録です。以後は、田中信夫氏の声でお読みください】
市川大野の密林の奥に、謎の巨大施設「ダイケーエン」は実在した!!
伝説のパラダイスに強行潜入!!
。。。千葉県市川市。 人口約44万9千のこの街に、まさに知るひとぞ知るパラダイス:「大慶園(ダイケイエン)」が存在するという。 それが話題に登ったのは今から数ヶ月前、この町に生まれ育ったタカダ長老(模型店経営)から出たものであった。 我々取材班も長老からその伝説を聞くまでは、そこへ行ったこともなければ聞いたこともなかった。しかしフェラーリや戦闘機のマニアの間では、「そこに何かとてつもない物が存在している」という伝説が古くから囁かれていた。
今を去ること約25年前、若かりしタカダ長老とその友人らが宴の席が終わった後、深夜になぜかバッティングセンターへ行くことになったという。 当時から24時間営業のバッティングセンターとして、長老たちはその「大慶園」の名と場所を知っていたという。 行って見ると確かに当たり前のバッティングセンターであったが、なぜか敷地内の一画にはフェラーリがズラリと並んでおり、ヘリポートまで存在したという。 酔っていた長老の友人のひとりは、その驚くべき光景に圧倒されてか、はたまた何者かの恐るべき魔力が作用していたのか、その場で嘔吐してしまったという!
施設に従業していた老人によると、フェラーリのコレクションはオーナーが酔狂で集めたものであり、ヘリポートは、オーナーと友達の「ジャン・アレジ」なる謎の人物が自家用ヘリで乗りつけて来るために作られたものであるという。 その証拠に「ジャン・アレジ一族」とオーナーが、肩を並べて写っている写真もあったという。その妻の名は「ゴクミ」だともいう。
長老にとっては若かりし頃の「とほほ体験のひとつ」だったと言うが、さらに長老の話では同敷地内に、「マルヨンのジェットエンジン」「ガマゴート」「ウニモグ」などという、まるで理解不能の言葉で呼ばれるものが存在する伝説があるというではないか。
また「大慶園」に隣接する「市川市動植物園」も、「トホホ感万点!」という謎の形容を以って長老が薦めるところだった。
こうした伝説・謎の施設が市川市内にあるとすれば、我々はその実地調査を行う必要がある! かさぱのす隊長をはじめとする、なかがわひろゆき隊員・セータ☆隊員・せいもく隊員という、勇敢な隊員が全国各地から集まった。航空機・陸戦兵器・特撮番組・・・どんな魑魅魍魎が現れても対処できる頼もしい面々だ。
フロントガラスに貼られた 「市川探検隊 ご一行様」 のステッカーが雄雄しく光る! JR市川駅前から目指す秘境「大慶園」までは、 来る者の行く手を拒むかのように 鉄道路線のアクセスが良くない。 若干の「動植物園行き」の路線バスを利用する他には このジープだけが頼りだ! |
ヘリポートの標識が出現!! 陸路でやってくるもののために、なぜか ヘリコプターの誘導標識を示すその意味とは!? ついに伝説の場所、「大慶園」の駐車場入口だ! 駐車場はかなり埋まっていた。 それどころか、次々と入ってくる車がある。 |
自分たちが今くぐった駐車場入口を振り返り、衝撃を受けた! F-104J戦闘機だ!! まるで仁王像のように屹立する、通称「マルヨン」の 機首、尾部、そしてエンジン! かつて航空自衛隊で「栄光」と呼ばれた戦闘機が 機種に描かれた通り、 今まさに我々に向かって「牙」をむいている! なぜこんなものがこんなところに!? こんな現象は、自然界では決して起こり得ない。 |
さらに駐車場周囲には 謎のステンシルや看板が掲げられている。 その中にはこんなものがあった。 「PILOT'S HAVEN」 現地の言葉で「極楽(HEAVEN)」を意味するのだろうか!? 招かれざる者達を極楽へと手招いているかのような、 そんな不吉な前兆を予感させるに充分だ。 |
ふと振り返ったかさぱのす隊長が叫んだ!! あれを見ろっ! 驚いた隊員たちの目に飛び込んで来たのは なんと、 フェラーリの山だ!! 1台や2台ではない。3階建てのガレージの中に、6台は入っている。 ガレージの壁だけがガラス張りになっていたために、 振り返って側面を見るまでその存在に気付かなかったのだ。 故に、「絶対見て欲しい」「自慢したい」という意図は感じられない。 |
フェラーリF50をはじめ莫大な財宝が眠っているのだ! 探検開始早々、フェラーリの山の突然の出現に 驚きを隠せない我々取材班の前に 更なる衝撃が、走った! ヘリが駐機していた! 駐車禁止の道路上に!! さらに 読売巨人軍の選手の姿が! そして奥地へと続く道路の向こうに、 我々は想像をはるかに超えたものを 目撃した!! |
奥には謎のレーダー施設!! せいもく隊員の解析によると、 このパトロールカーに改造されたモークは、 ポルトガルで生産されていた後期のタイプであるという。 希少価値はオリジナルほどではないにせよ 珍しい物には違いない。しかし隣のジープと共に雨ざらしだ。 |
振り向くとそこには、 ディノ246GT!! 真紅のデイトナ! 圧倒される隊員たち! どう考えても尋常ではない。圧倒的な資産価値と量である。 しかもそれを決して誇示することなく なにげなく園内に配置、無料展示している。 一体全体、梨栽培というのはどのぐらい儲かるというのか!? |
いつのまにか、なんと フェラーリに包囲されていた!! モークとは違い、こちらには質素ながら屋根がある。 しかしこの日の風雨は、容赦なくその車体に叩き付けていた! 我々取材班も、この異常なゾーンと 荒れ狂う自然の猛威の前には成す術が、ない! |
いままさに我々が立っているその場所が どこであるかに気付き、 血の気も引く戦慄が走った! そここそは ヘリポートだった!! まさしく、これが長老の言っていた、 「ジャン・アレジ一族」が使用する ヘリポートということになるのであろうか!? |
なんとその中には、 更にヘリが2機と その地上整備班、 大型ジェットボートまでもが 待機していたのだった!! 慌しいクルーの姿も垣間見られる! 白いエアロスパシアルAS350の奥に見えるヘリは ベル・ジェットレインジャーのようだ。 ここには一体 どれほど莫大な富が 眠っているというのであろうか!? |
本格的なゴーカート場を、なんと 内包している! そして2フロアに渡って展開されている ゲームの筐体やクレーンゲームの数も、尋常ではない! 一説にはその数400とも言われている! しかもゲームの景品は、おもちゃのみならず ホタテの缶詰/スリッパ/食器/ライター/ガンプラ 果ては衣類(甚平)や観葉植物までもが揃っている! なんと、つまり とりあえずここで生活が出来るようになっている! とその時、 隊長が一番恐れていたことが 起こった! |
落ちる!! ビリヤードボールの形をしたライターやキーホルダー! モ○娘。や松浦あ○やの 無版権ジッポーモドキライター! 本当にそんなモノが欲しかったのか!? なかがわ隊員は勝手に発砲を始める! 「みんな、落ち着くんだぁっ!!」 隊長が叫ぶ!! |
この罠を逆に利用し、ビリヤードボールの 豪華キーホルダーを獲得! さらには、 数ある玉のうち 最も珍重されるべき「金の玉」を入手、 「ここに入れば大当たり!!」 「金賞」と称される巨大な財宝を発見した!! |
「かっこいいオートバイ」だ!! |
「ワイヤーコントロール」 と書いてある。 なんとこのバイク、 いまどきのラジコンではなく、 前後進しか出来ない有線リモコンだったのだ! 恐るべき罠だ! 隊員たちの背筋に冷たいものが流れる! |
ようやくここで休息を取ることにした。 食事は現地の原住民が提供してくれる、 ニチレイの冷凍食品だ。 隊員各自が現地の自動販売機から分配を受ける。 食事を作ってくれる店もあるのだが、すでに行列が出来ている。 そこには調理担当の原住民がひとりしか居ないのだ! 我々取材班にそれを待つ時間は、ない。 いまだ我々が足を踏み入れていない個所が まだ、ここにはあるのだ。 |
再びこの未知なる土地の探索活動を再開した。 近くでソフトボールに興じる原住民達のそばに在ったのは 朽ちたダッヂのトラック!! あまりにも古く、どう見ても可動状態にはないが 隊員たちの心をくすぐるには充分過ぎる! その木製荷台の構造は、 大戦中のダッヂのウェポンキャリアと基本的に同じだ。 老朽化した荷台は、こうなってしまうものなのか! |
そして我々の目の前に突如として それは出現した! M561 ガマ・ゴートだ!! 1970年代初めに米陸軍に制式採用されたものの 極わずかな期間しか使用されなかった 水陸両用、6輪駆動の汎用トラックである。 そのマニア垂涎の貴重な車輌が、 道化のような白と青の珍妙なレスキュー車として 回転警告灯まで取り付けられている。 園内各所に配置されていたパトロールカーと 同じ仕様の改造が施されていた! |
そしてそれに触れているという現実が 隊員たちにはとても信じられなかった。 消火器ラックも残っている これまで世界を股にかけて 様々な軍用車両を取材してきた我々取材班だったが、 まさかガマ・ゴートに触れることになろうとは。 しかもここは間違いなく、市川市内なのだ! こんなレスキュー車に救出される自分たちの姿を 隊員たちの誰もが想像していた。 生命の危機に瀕していても、我々なら思わず 「。。。ガマ・ゴートかよ。。。!」 とツッコむに違いないと。。。 |
「放置された戦闘機群」をまだ目にしていない。 果たして本当にそんなモノがここにあるのだろうか? 一旦外に出て、「大慶園」外周の探索に移ることにした。 我々取材班のジープが駐車場を出て右折した、 まさに、その時! 隊員全員が、思わず息を飲んだ!! 累々たる航空機の残骸!! |
まさしく、ジェット戦闘機のそれだ! 我々はジープを降りて、ただちに調査を開始した。 正体不明のプロペラ(4枚羽)や エンジン(T-6テキサンか?)もある。 そしてさらにその先にあったのは またしても F-104戦闘機の機首 そして胴体までもが!! |
そして遂に、それは現れた!! これが、世界最強の戦闘機 F−15Jだ!! 隊員の誰もが我が目を疑った。 まさか。まさかこんなものがこんな所に! しかもこれはかつて1995年11月22日、 航空自衛隊小松基地北北東約165kmの海上で訓練中に 僚機の空対空ミサイル「サイドワインダー」が誤って発射され 命中・撃墜されてしまったという、 元航空自衛隊第303飛行隊のF-15J戦闘機の機首部分だ。 まさに、本来ならば部外者の目に触れることなどあり得ない 「ここにあってはならないもの」なのだ!! それを秘匿するが如く、黒と赤の妙なツートンに塗られ、 更には「US」という文字が記されている。 我々の目を欺こうとしているのか!? 因みにこの機体に乗っていたパイロットは無事脱出・救助され 機体は海中に没し、その後引き上げられたいう。 そして今、こんな場所に。。。 |
さらに不可解な物体がある。 航空機用の牽引車? 爆弾搭載用のドリー? いったいこの信じられない光景はなんなのだろうか。 聞くところによると、やはりこうした残骸も、 「大慶園」の酋長、ここ周辺一体の梨園の大地主が 個人の趣味でコレクションしたものであるらしい。 そう。恐るべきことだが、これらはすべて 個人の所有物なのだ!! 「廃棄・放置されている」ように見えても、 それを無断で回収することは 重罪となるのだ! ※一帯の戦闘機などのディテール写真は、 ここでは公開出来ないことをご了承ください。 盗賊が出没する恐れがあります! |
想像を絶する光景の数々への興奮も冷め遣らぬまま、 背中を掻き毟られる思いで我々取材班は「大慶園」を後にし、 さらなる秘境 市川市動植物園に向かった! 道路沿いの梨園がまるで、 ノルマンディーのボカージュを彷彿とさせる! つい先日6月の末に、この地最大の人気動物:レッサーパンダと、 ワタボウシパンシェと呼ばれる猿が、 何者かによって盗まれるという事件が起こったばかりだ。 駐車料金は終日500円。入場料は大人420円だという。 そして、その入場券を手にした我々は思わず息を飲んだ!! これこそは、奪われたレッサーパンダの 手配書か!? ここではいったい、何が待ち受けているというのか!? |
レッサーパンダの居なくなってしまった「檻」を目指した! しかし畜舎に辿りつくと予想通り そこにレッサーパンダの姿は、ない。 レッサーパンダの安否/動植物園の悲嘆/盗賊への怒り。 そうした複雑な心境に隊員たちが厳しい表情を隠せない まさにその時!! レッサーパンダが 飛び出して来た!! 庭の裏が畜舎になっており、そこにはなんと 雄雌2匹のレッサーパンダがいたのだ! 最近、他の動物園から移譲されたものが1匹ある。 これが盗まれた後に補填されたものなのだろうか。 疑問は沸いたが、そのあまりの愛くるしさに、 隊員たちにもようやく、笑顔がこぼれた! |
しかし後ろ髪を引かれる思いでそこを後にし、 さらなる奥地へと足を進めたその時、 隊員たちの目の前に タヌキが出現! ハクビシンも息を潜めていた! 世界中で猛威を振るったSARSウィルスとの関連が疑われた、 いま中国で最も恐れられる猛獣だ! もちろん野生ではないここのハクビシンらに嫌疑はないが 隊員全員が気を引き締める! 食べさえしなければ大丈夫だ!! 隊員たちは皆、そう自分に言い聞かせながら足を進めるが 巨大な猿山/野鳥の群れ/タヌキ/ カワウソ/ウシ/ウマ/ブタ あらゆる種類の無数の猛獣達が、 すでに我々の存在と血の臭いを嗅ぎ付けている! 猛獣達の群れを果敢に掻い潜って行く隊員たち! |
蒸気機関車を走らせているという。 「200円ぐらいなら乗ってもいいですね」 と言う、なかがわ隊員に全員の意見が一致。 隊長が金額を調べに走る。 そして、隊長が叫んだ! 「100円やっ!!」 そして乗車券を手にした我々は、 またしてもその印刷に驚愕した! 「フルカラーやっ!」 「印刷だけで200円かかるぞ!」 なんということだろう。 原住民のつましさに心打たれながら我々取材班は 機関車の汽笛に歓迎され、心地よい揺れを感じながら、 いまこうしてようやく 神秘の秘境にしばしの別れを告げることにした。。。 |
伝説のパラダイスは、確かにそこに在った。 そして、そこに存在すると古くから語り継がれていた 謎の物体や猛獣達が生息していることが、 今回の「市川探検隊」のミッションにより、明らかとなった。 しかし市川市には、我々の想像を絶する秘境が まだ更に存在している可能性が、ある。 |
かつて「大慶園」に存在したという伝説の 「ウニモグ」「ジャン・アレジ」なる物に遭遇することは出来なかった。 市川探検隊の旅は、まだ始まったばかりだ。 いま我々は、「大慶園」「動植物園」を後にする。 このパラダイスの、とこしえに続く平和を 祈りながら! |