ボフォース37mm対戦車砲m/34&m/38
37mm対戦車砲wz36


スウェーデンの火砲の老舗ボフォース社が戦前に開発した37mm対戦車砲は、(40mm対空機関砲と同じく)各国に輸出され、ライセンス生産もされました。wz36もポーランドでライセンス生産されたものです。 フィンランドにもまた、ボフォースの火砲が輸入され、この37mm対戦車砲はライセンス生産もされました(m/36と呼称)。冬戦争開始当初は合計98門(輸入版48門、ライセンス版50門)しか配備できなかったものの、WW2中盤以降生産されなくなったオリジナル版に対し、フィンランドのライセンス版m/36は、継続戦争中も生産が続行され、戦争終結までに合計355門 (対戦車砲としての存在意義は無くなっていただろうに!)を数えます。
なお解説にあたっては、フィンランドの冬戦争専門サイト(通称「冬戦争ドットコム(笑)」)の同砲の解説http://www.winterwar.com/Weapons/FinAT/FINantitank.htmを参考にしました。

※旧日本軍は、輸入したボフォース40mm機関砲を「ボ式」と呼称していました。
(便利なので)以下、解説文中では「ボフォース」を「ボ式」と略させていただきます。




戦車博物館の「対戦車兵器展示ホール(?)」に、2門並べて展示してありますが、大抵の人はまず、両方同じものだと思ってしまうことでしょう(画面向かって左はボ式m/34、右がwz36)。ボ式を、ポーランドでライセンス生産したのがwz36です。砲盾上端の形状に注意。オリジナル版のm/34が直線なのに対し、wz36は波型(フィンランド版m/36も同じ)です。この処理は、輪郭を背景に馴染ませるべく改良された、有機的なデザインなのです。なおボ式(向かって左側)の右砲盾下部(折りたたみ式)は欠損しています。




wz36の砲尾左側。砲盾の厚さはわずか5mmしかありません(怖)




ボ式の左車輪。皿型のホイール上方の、空気入れ用のくぼみに注意。
ゴムリムに「MADE IN SWEDEN BY BOFORSなんとかかんとか4×18」とモールドされています。TOMのキット製作の参考に(?)。




wz36の左車輪。ホイールの形と、ゴム外周の幅が若干広いことが、ボフォース製との一番の相違点です。ボルトの大きさと空気入れ用のくぼみにも注意。こちらのゴムにもポーランドの工場の刻印があります(なんと書いてあるかメモるの忘れた!)。RPMのキット製作の参考に(?)。




こちらは、戦争博物館(ヘルシンキ)に展示されていた、ボ式m/38(砲盾全周囲が波型カ)の砲尾。
タイヤのトレッドパターンが「HOHOHO(ホホホ)」と読めるのがホホえましい。
また、ハメーンリンナの砲兵博物館にも(当然の如く)同砲の展示があります。



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