75mmPak97/38対戦車砲

第二次大戦中、ドイツより購入。対戦車猟兵により使用されました。
砲本体は、ドイツがフランスとポーランドから捕獲した骨董品「シュナイダー75mm野砲M1897」で、せっかくだからということで、それを50mmPaKの砲架に載せて使ったわけです。 しかし、いくら75mm対戦車砲弾を飛ばせるからといって、わざわざこんなもの使わなくても、純国産の75mmPaKも生産軌道に乗り、また対戦車砲自体どんどん進化していくドイツ本国ではどんどん用済みになり、二線級部隊にまわされたり、同盟諸国に売り飛ばされていったようです。




全景。ドラゴンのキットでお馴染み(?)。
奥にある黒と緑の迷彩が純粋の50mmPaK。


砲身基部左側。砲身スライド部先端のボルトで締められた所から、何やらひもが出ていますがその用途は不明。
砲盾下部の赤い三角は、戦後に付けられた、牽引時の反射板(ていうか戦後まで使ってることが驚き)。




砲尾部左側面。「SA(=フィンランド陸軍)」と刻印されたズダ袋が引っ掛けてあるのですが、一体何なのかわかりません。
ひょっとして空薬きょう入れ(回収袋?)として標準装備されていたのかも知れません。




砲尾部左側面のアップ。


砲尾アップ。ここから先の写真は砲兵博物館に展示中のものです(こんなマイナー兵器を、一日で2門も3門も見かけることになるとは夢にも思わなかった)。上面の赤文字は、元の持ち主フランスの工場の刻印です(が、何と刻印してあるのかメモ忘れた!)。






マズルブレーキ。小穴一つの大きさは直径20mmでした。
よく見ると、セモベンテやズリーニィの主砲の様に、全周にわたってボコボコ開いているわけではなく、両側面部にのみ開いています。
因みに母体となったシュナイダーm1987野砲は、フィンランド軍でも冬戦争終結時点で12門、その後48門(合計60門をフランスから購入したものの、冬戦争に間に合ったのが12門だったとのこと)が配備されていたとのことで、その後の継続戦争でも使用されました。


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