37mmPaK36/35対戦車砲

ドイツ・ラインメタル社開発による、1936年に制式化され、ドイツ以外でもライセンス生産された傑作対戦車砲。1942年に生産を終了するまでに、15,000門が生産されましたが、ロシア侵攻後は、その対戦車兵器としての非力さが顕著になり(戦車の装甲厚が日進月歩に増していったため)、以後ますます大型の対戦車砲が開発されていきました。
フィンランドでは、継続戦争中にドイツより供給されたもの(ドイツにとっては、いい在庫一掃が出来たことでしょう!)の他、冬戦争中は、WW2前にロシアが口径を大きくしてライセンス生産した45mm砲も大量に捕獲、使用しました。




ヘルシンキ市内の戦争博物館にて。独特の3色迷彩(オリーブグリーン/アース/タン)で展示されています(ただしこの塗色が戦時中のオリジナルとは言い切れませんが、少なくともパターンは忠実に再現されているようなので、参考になります)。


正面。撮影中、砲盾の後に入り、実際に「戦闘配置」に就いてみましたが、小柄な砲手がギリギリで体を隠せる程度です。大柄な砲手は、至近弾の破片などから身を守るのは困難だったでしょう(そもそも砲盾の厚さが5〜6mmですから、危険極まりないのですが)。




砲尾より。閉鎖器にはオイルが注してあり、動かすと「クチュ」というのが「リアル」(って、有事の際には、これをひっぱり出すつもりなのか!?)。




その閉鎖器周辺。鈍い独特の金属色が目立ちます。


脚部末端。リベットだらけです。タミヤのキットのディテールアップをどうぞがんばってください。




37mm対戦車砲と言えばこの人!(←誰もいないからこんなこともできます!)。
しかし実際には砲盾の後でも、どうしても体を隠しきれないという現実を体感、あらためて戦場の恐ろしさを追体験しました(これで数百メートルまでT-34を引き付けるなんてこと、恐ろしくて到底ワタシにはできません)。




筒型の砲弾ケース。空中投下用?それにしちゃ薄い金属製。と言っても、少々たたいて凹むようなもんではないですが、(音で表現すると)「こーん」と軽く響きました。
因みにそばに置いてあるのが37mm砲弾で、反対側に立て掛けてあるのはStG44突撃銃。




ロシア侵攻後に実用化された成型炸薬弾「Stielgranate41」も展示されています(手前の機銃はチェコ製ZB機関銃)。最大射程距離365m(!)で180mmの装甲板を射抜くことができるというもの(そこまで敵戦車を引き付けることはもちろん容易なことではない)。
因みに成型炸薬弾もZB機銃も、ヘルシンキ戦争博物館の展示品ですが、フィンランド軍が輸入/使用したわけではなさそうです(使用した記録や資料が見あたらない)。在芬ドイツ軍が装備していたものではないかと思われます(撤退時に捨てていったものと考えます)。




パロラ戦車博物館にも、同砲の展示があります。画面左側のは、砲盾が折りたたまれた状態です。



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